ベクティス2000紛失事件
ちえは早朝4時の青函トンネルに入るところをみたらしいんだけど、わたしはなかなか寝付けず眠かったので寝る。
8時過ぎ、長万部をすぎた頃に起床。朝食をロビーカーで食べる。なんと向かいの兄弟からフレンチトーストの差し入れを受ける。なんていい人たちなんだ。ロビーカーで朝食を食べながらはしゃぎ9時半過ぎに身支度を整えるために座席に戻った。着替えて化粧を終えて荷物を整理していて、修理から帰ってきたばかりのカメラ、ベクティス2000がないことに気がつく。何度バックの中を探しても見つからない。写真を撮った記憶は朝食の時が最後。ロビーカーに探しに行ったけど見つかるわけもない。車掌さんのところに行って落とし物がないか聞いてみたりもした。もちろん届いていない。座席に戻ると向かいの兄弟がわたしたちの後にロビーカーに座った2人組のことを教えてくれる。同じ車両の人だったのでその人に疑っていることは隠しつつ、「ロビーカーにいかれましたよね」って聞くと「行っていない」と答えた。怪しいと思ったけど、カメラをなくしたことを話し、もし何か思い出したことがあったら教えてほしいといっておいた。その人だけに聞くと疑っていることがバレバレだから、同じ車両の人全員にカメラのことを聞き回った。するとその中の一人のおばちゃんが車掌さんに車内放送かけてもらったら? とおっしゃるのでダメもとで車内放送までかけてもらう。わたしたちが乗っている2号車だけばたばたしているのにも関わらず、先ほどの2人組は奥の方に座ってひそひそしゃべっている。おばちゃんもはじめ2号車の人はいい人たちばかりで、男の子の団体はカメラ探しを手伝ってくれたりした。車掌さんに聞くともしカメラが出てきても受け取りは帰るときになるだろうっていうこと。カメラがなくなって何が一番がっかりしたかというと、今まで取った写真がなくなること。カメラはまた買えばいいけど中に入っているフィルムはもう2度と取れないものばかり。それが一番悲しかった。
11時が近くなり札幌到着ももうそろそろ。心の中でベクティス2000〜って叫びながらも、使い捨てカメラかうしかないかな、って半分あきらめかけていた。札幌駅に着いて下車するときにちえが怪しい2人組が座っていたベッドの毛布をばっとめくったらそこからケースに入ったベクティス2000が出てきた。ケースを開けてみると残り13枚でわたしのカメラ。うれしい。兄弟も含めホームに降りて探してくれた人にお礼を言って、北斗星をバックに早速写真を撮ってもらった。
たぶん、あまりにもわたしが騒ぎすぎたため良心の呵責に苦しんだんだろう。返すにも今更言い出せないから、毛布の下に隠していかにも忘れ物っぽく演出したんだろう。でも最後に毛布をめくったちえはすごいと思った。この事件以来、わたしはカメラを首にかけて消して外すことはなかった。
札幌観光
駅のコインロッカーに荷物を預けてから、観光案内所に入って3日目のホテルの予約を取る。北斗星の中で話し合った結果、小樽の宿は高いので札幌のビジネスホテルに泊まることにしたのだ。札幌駅に近いホテル探してもらった。紹介してもらったホテルは札幌第二ワシントンホテル。ツインの部屋2人で1万円だった。
札幌の市内観光に向かう。その前に薬局に寄って酔い止めを購入。JRの駅を降りて地下街を抜け地下鉄に向かうまでに思ったこと。それは札幌の人が薄着だということ。寒いからって私たちみたいにぶくぶく着ぶくれしていない。不思議だ。
いろいろしていたら12時を回りそうだったので、まずは腹ごしらえに兄弟に教えてもらったラーメン屋に向かう。地下鉄ですすきののまで行って、狸小路にあるラーメン屋。兄弟も名前は覚えていなくて場所だけ教えてもらったんだけど、ここでいいのかわからず、狸小路周辺をいったり来たり。他にラーメン屋も見つからないのでここだろうと言うことで入った。名前は山岡家。赤い看板に黄色い旗が目印。
昼食後、テレビ棟と時計台を見ようと歩く。しかしこの日はあいにくの雨。一番困るのは溶けた雪で路面が滑ること。テレビ棟に向かい写真を撮る。そこから時計台までさらに歩く。普段だったらぜったいに入らないのだけれど、雨で休憩がしたかったということで入場料200円を払って中に入る。本とか読みながら時計台のなかで休憩していると、なんと今朝ベクティス2000盗難事件で一緒に探してくれた大学生の団体に偶然出会う。探してもらった恩もあるので時計台の中を一緒に見て回る。次どこに行くつもりなのか聞かれて、ごまかしていたけどしつこく聞いてくるので、北海道庁旧本庁舎を見に行くとしぶしぶ答えると、一緒に行こうと言い出す。だからいいたくなかったのにと思いつつ、ベクディス2000を一緒に探してもらった恩もあるので無下に冷たくもできず、しょうがないので一緒に行くことにする。そこから北大のクラーク像、カメラの電池を買いに寄ったヨドバシカメラにもついてきた。さすがに、札幌駅でどうでもいい用事をつくって逃げ出したけど、それからの札幌市内でまた会うんじゃないかと気が気ではなかった。
夕食→網走へ
札幌駅の地下街で絵はがきを買ってTに出そうと思って、住所を知らないことに気がついてメールで聞く。歩き疲れたので、喫茶店でケーキと紅茶を飲んで休憩。それから、雨のせいで雪がぐじゅぐじゅだったせいもあるけど、滑って仕方なかったので靴を買うことにした。入った一件目で靴の裏にちゃんと滑り止めのついた歩きやすそうな合皮のスニーカーが売っていたのでそれを購入。いつも迷うわたしがすぱっと決めたのでちえは驚いていた。そこで靴を履き替えて夕食に向かう。夕食は回転寿司がいいねといて札幌駅を探し回ってたけど見つからなくて、また地下鉄ですすきのまで出て探すと1件回転寿司屋を発見。そこでイクラ・ウニなんかを食べる。
札幌から網走に向かうオホーツク9号は自由席だったので早めに札幌駅に戻る。コインロッカーで荷物を取ってから待合いの椅子に座って時間を潰していた。わたしはぐじょぐじょになって履き替えた靴が気になったので、新聞紙を買って来て裂いては靴の中に詰め込んでいた。結構うるさいコンコースでも紙を裂く音は異質な音だったようで響いていた。周りから見たらかなり変な人だよな、と思いつつ。
20分前になったのでホームに上がった。もう結構人が並んでいて座れるかかなり心配になってきた。
何とか座ることができた。このオホーツク9号は、寝台車も併設している夜行列車。でも寝台車にはわたしたちが利用した「ぐるり北海道フリーきっぷ」では別料金になるらしくあきらめて座席車にした。この列車は旭川も通るらしく、札幌で遊んだと思われる旭川人が多く乗っており、なかなかの混みようだった。長距離列車なのでトイレ・洗面台などはついていてお湯も出る。早速、化粧を落として首当てをふくらませて寝た。
上野の売店で買ったパンとみかん。差し入れのフレンチトーストも。
山岡家のラーメン。上に乗った3枚の海苔がポイント。味はあっさりめの豚骨系。
札幌のテレビ塔。デジタル時計がついているところが名古屋との違い。
言わずと知れた時計台。意外に小さくてビルに埋もれている印象。
北海道庁旧本庁舎。中にも入らなかったけど一応記念撮影。
北大のクラーク像。指を指してる全身像は市内の外れにあるらしい。胸像でがまんしよう。
休憩で食べたケーキ。北海道だから特別ってことはない。
ススキノで食べた回転寿司。