2日目 — 2002.4.3

車中泊の後遺症

その後、中央道から首都高、東北道と通って仙台に向かう。深夜バスになれていないからか、横向きにならないと寝付けないのがわざわいしてか、ほとんど一睡もできないまま、午前6時、どこかのサービスエリアの到着。やっと寝付けてきたところなので降りずにそのまま乗車し続ける。とりあえず寝ることが大切。
バスは動き始め、東北道からはずれ、仙台南部道路を通って仙台中心部へ。やはり仙台は東北で一番大きな都市だけある。中心部へ進むとビルも密集してきて、その高さもぐっと伸びる。仙台の印象は、なんとなく札幌に似ていた。やはり北の街だからだろうか。

仙台到着

バスは仙台駅から少し離れた高速バスの発着所に着く。やはりJRと競合するからか、駅前のバスターミナルには入れないようだ。到着時間は予定の午後7時半より10分ほど早かった。バスを降りた時、やはり名古屋よりもひやっとした空気を感じた。
人が空くのを待って、待合所のそれほど広くないトイレに入る。深夜バスの中じゅうノーメークだったので、さすがに化粧をしなければならない。コンタクトレンズも入れる。寝不足にはやはり痛い。
8時過ぎ、タケちゃんに到着したとのメールをいれて、朝食を取ろうと仙台駅の方へ向かう。通勤ラッシュということもあり早足で歩く人について行けば、誰かが仙台駅へ連れて行ってくれる。人の流れに沿ってあるいていると、地上階にバスターミナルを抱えた大きなデッキに出会う。それに繋がる細い階段を登ると仙台駅のコンコースへと広がっている。駅の中をうろうろして、まず、明日の会津若松行きの高速バスの乗り場をチェック。どうやら反対側の東口から出発するようだ。そしてダイアを確認し、明日の会津若松行きの19:00の高速バスの切符を取ってる。西口と東口とを繋ぐ自由通路上にあったマックで、朝マックがてら居座ってガイドブック熟読し始めた。

青葉城址

9時半をすぎてもタケちゃんから連絡がないので、コインロッカー荷物を入れて一人で観光しようと、とりあえず伊達政宗で有名な青葉城に行くことにする。駅からもそれほど遠くないらしくバスで30分くらいだ。それに、青葉城を囲むようにタケちゃんが通う東北大が建っているようなので、後にタケちゃんと待ち合わせするのにも都合が良いだろう。ガイドブックにあるように、仙台西口バスプール(バスターミナルではなくバスプールというらしい)から青葉城循環に乗り込む。市街を抜け途中、広瀬川をわたるとき岸辺に沿うようにある公園の桜が満開であったのをわたしは見逃さなかった。今年は桜前線が1週間ほど早いらしく、名古屋で散り始めた桜は仙台では見事なうすピンクの絨毯を作っていた。これは仙台城(青葉城址)にも期待できそうだ。(あとでガイドブックを見たら西公園といところらしく、桜の名所らしい。名古屋でいえば鶴舞公園といったところだろうか。)
東北大の敷地を抜けて、青葉城址のバス停に到着。バスに乗っているときにタケちゃんから連絡があったので折り返しかけると、どうやら、今日のために昨日研究室で遅くまでがんばっていたらしい。ありがたいことです。それで、わたしが青葉城址に着いたことを述べると、「期待しない方がいいよ、何もないから」というお返事をいただく。とにかく青葉城址を見た後くらいにもう一度連絡を入れることになった。
入り口がわかりにくい砂利道を上がって行くと青葉城址に着く。さっそくあの有名な独眼竜政宗像を探したが、城壁工事中で周りが鉄の目隠しで覆われており、あまりいい絵が取れなかった。そばに5分咲きの桜の木が生えていたので余計惜しく感じた。仙台市内を眺望して、桜の写真を撮って歩き回ったけど、本当にそれといったものはなかった。青葉城址というだけあってお城らしきものはどこにもない。そして天守閣がどこにあったのかすらわからなかった。(先入観でどこのお城にも天守閣があるものだと思っていたが、青葉城には天守閣は創建当時から存在しなかったとのこと。それは探しても見つからないわ。)
タケちゃんに連絡をすると、迎えに来てくれるという。仙台国際センターというところで待ち合わせだそうだ。バスで仙台国際センターに向かおうとしたのだが、来たときと反対側の石垣、つまり工事中の石垣を降りれば歩いていける距離だということに気がつく。そこから、仙台市博物館の横を通って国際センターまでゆく。わたしが着くのが遅かったらしく、タケちゃんは先に用事を済ませるために大学の研究室に顔を出してから、来てくれることになった。

タケちゃん登場

そこで待つこと20分くらい。青い車でタケちゃん登場。今年の年越しの時に会って以来なのでそんなに久しぶりのような気もしないが。
タケちゃんが、どこに行きたいか訊くので、せんだいメディアテークと宮城県図書館に行きたいといったら、へんなところに行きたがる人だ、という反応をされた。宮城県図書館の方が遠くて行きにくいのでそちらに案内してくれることになった。どうやら宮城県図書館というのは仙台市ではあるけれど相当外れの方らしく、3、40分くらいドライブして到着。

宮城県図書館

宮城県図書館の印象は、自然の中に突如現れた宇宙船といったところ。メタリックな筒がどーんと緑の中に横たわっている感じだ。まあ、今は落葉時の葉は落ちているので、緑の中という表現は適切ではないのだが。ここの詳細は別ページ(→仙台建築/宮城県図書館)に譲るとして、タケちゃんはわたしが建築を眺めたり写真を撮ったりしている間、つまらなさそうにしていた、そして、最後には棚からサッカー雑誌を取り出して読んでいた。ごめんなさい。
一通り見て回って帰るときに、「こうなったら外からもちゃんと写真を撮った方がいいよ」といわれてベガルダ仙台の練習場のわきの土手に登って全体を写真に納める。タケちゃんに「満足した?」と訊かれてうなずき、宮城県図書館を後にする。
タケちゃん曰く、宮城県図書館に案内してくれといわれたのは初めてだ、そうだ。前に、潤くんやよっちゃんが来たときは潤くんは仙台の夜景がきれいなところに連れて行ってくれ、といったらしい。三脚持参でわざわざ来たらしい。潤くんが夜景マニアであることを初めて知った。しかしわたしの知り合いはへんなところに連れて行ってほしいと希望する人が多いらしい。変わり者なのか?

牛タン

ちょっと遅い昼食にタケちゃんが牛タンの店に案内してくれる。すでに時計は2時を回っており、閉店ギリギリの店内に入ってを牛タンをいただく。牛タンうまい。口の中で解けてしまいそうだ。タケちゃんによると中心部なら他の店もあるけど、郊外ならここなのだそうだ。店の場所と名前はタケちゃんに案内されたのでわからないし覚えてない。宮城県図書館の帰りに寄ったので、おそらく仙台市北部であること、あと、比較的大きな幹線道路の一本奥であり、かなり大きな駐車場が整備されていたこと。それくらいが手がかりである。
年度始まりといことで、タケちゃんも研究室の仕事でいろいろ忙しいらしいので、宿泊予定のホテルに送ってもらって別れた。今日の夜は友達の送別会らしい。おみやげに持ってきたきしめんとみそ煮込みうどんをみんなで食べてと渡した。でもこんなことだったら、もっとたくさん買ってくればよかったな。人数分ないかもしれない。明日は午前中、多忙な中を今度は松島へ連れて行ってくれるというので9時半に待ち合わせの約束をした。
ホテルの名はホテルグリーンライン。ビジネスホテルだ。中はかなりきれいでアメニティーも整っている。これで税込みで5650円とはかなり良いのではないか? 500円で朝食が付くというので朝食の予約もしておいた。チェックインをして、少し休んでからいよいよこの旅のメイン・せんだいメディアテークに向かう。メディアテイクとの立地を考慮して宿を取っただけあって、メディアテイクへはホテルから徒歩5〜10分というところだ。

せんだいメディアテーク

伊東豊夫設計のせんだいメディアテークは仙台の中心部に建っている地上6階建ての建物。着いたときには4時半を回っており、各階に明かりがついていた。その明かりが階ごとに光源の色や照明器具の種類配置の仕方が違い、そとからみると明かりの層になっていてかなりおもしろい。そして足を踏み入れた瞬間、なにかが違う! と思った。詳細は別のページ(→仙台建築/せんだいメディアテーク)に譲るとして、やはり、ホットなスポットであるだけあり、あちこちにカメラを持って写真を撮りって回っている若い人に何人もであった。全国からこのせんだいメディアテークを見るために建築を学ぶ学生が仙台にやっきているに違いない。
せんだいメディアテークの写真を内観と外観の写真を撮ってから、途中のコンビニでおにぎりとお茶を買ってホテルに戻った。昨日深夜バスで寝られなかったせいか、強烈な眠気で食欲すらなくなっているらしい。今日は早めに就寝しよう。

宮城交通高速バス乗り場

宮城交通の高速バス乗り場。仙台駅よりやや北西、広瀬通北側に位置する。

仙台駅

タイル張りの重厚な建築物。1階レベルが自動車、2階レベルが人の通行空間となっている。

伊達政宗の像

伊達政宗の像と桜。石垣改修工事のフェンスはカットした。

眺望

青葉城址から仙台市街を望む。西公園の桜が満開なのがわかると思う。

桜アップ

満開の桜の花。一眼レフにて、背景をぼかして撮ってみた。

ひろびろトイレ

仙台市博物館前のトイレの案内板。仙台では「ひろびろトイレ」といってハンディのある人や親子連れなどに広くて使いやすいトイレを提供しようという取り組みをしているらしい。

宮城県図書館内観

宮城県図書館・内観。飛行船が浮いているイメージ。

宮城県図書館外観

宮城県図書館・外観。4月のはじめだから枯れ木だけど、新緑の季節に来たら緑の中に金属の筒が浮遊しているのだろう。

牛タン

タケちゃんに連れて行ってもらった仙台郊外のお店の牛タン。おいしかった。

せんだいメディアテーク・トイレ

せんだいメディアテーク、入り口右手のトイレ。わかりやすいのにもかかわらず、デザインがキレイで衝撃を受ける。磨りガラスの自動ドア付きとは!

せんだいメディアテーク・外観

せんだいメディアテーク外観。照明が各階違うデザインで外から見ていておもしろい。