3日目 — 2002.4.4

メディアテークの朝

9時半の約束であったが、タケちゃんがちょっと遅れるというので、昼間のメディアテークの姿も写真に納めておきたかったので、徒歩でまたメディアテークに向かう。今日もかなり快晴で、空の青がきれいだ。絶好の写真日和。せんだいメディアテークはイルミネーションで有名な定禅寺通りに面しており、中央分離帯には木がたくさん植えられている。環境的には最高なのだが、これはせんだいメディアテークを取りたい人にとっては邪魔者である。幸い初春ということもあり、芽吹いていなかったからそれなりの写真取れたが。人通りも少ないさわやかな春の朝であった。

松島よ、ああ、松島よ

松島へは海岸沿いを40分くらい北上する。車中、タケちゃんは、松尾芭蕉はあんな句を詠んでいるけど、松島はたいしたことないから期待しない方がいいよ、と繰り返していた。以前、潤くんたちが来たときに連れて行って、たいしたことないって、切り捨てられたらしい。潤くんは辛口である。
松島の中心地福浦橋のたもとの駐車場に車を止めると、近くの食堂のおばさんがチラシを持って呼び込みに来た。シーズンオフで客が少ないのだろうか? せっかくだから、といって赤い福浦橋を渡って(有料200円)、福浦島を散策する。所々で写真を撮って島をぐるっと一周。確かに、松島にいるけど、それほど絶景っていうわけじゃないなあ、というのが本心。
タケちゃんは、時間がなくて早く帰りたいようだったけど、最後に無理なお願いをして、ガイドブックに載っていた松島四大観の一つ、扇谷に連れて行ってもらった。帰りの道を右に入り、くねくねした山道を登ること5分。駐車場につく。そこから、階段を上がると展望台である。この松島が良かった。松尾芭蕉が句を詠めなかった絶景はこれに違いない、と確信した。松島は中から見てはいけないのだ! 遠くから島が連なる姿を眺めるのが良いのである。
松島四大観に他のところにもいってみたかったけど、時間切れ。仙台までの帰りの車の中、タケちゃんは、松島を見てあんなに感動していた人は初めて見た、的なことをいっていた。そして、さすがガイドブックだ、とも。

強風、注意

仙台駅までタケちゃんに送ってもらってお礼を言って分かれた。時間がなく昼食も食べられないままのお別れだ。タケちゃん、忙しい中ほんとうにありがとう。
仙台駅まで戻ったわたしは、昨日と同じコインロッカーに荷物を預けて、みどりの窓口で明日のために会津若松から新宿へ向かう最終の高速バスのチケットを取っておいた。
松島へのドライブ中にわたしが高いところマニアだ、ということをいうと、仙台の高所スポットを教えてくれた。それは、仙台駅の北側にある AER といビルだ。そこでまず、仙台駅から徒歩で AER に向かった。最近できたと思われるオフィスや商業施設を含む高層ビルで、31階には展望テラスとレストランがあり、テラスは入場自由らしい。展望台行きのエレベーターを探し当てて、展望テラスは強風のため西側が閉鎖されていた。西側は街が広がっている方角だけに残念である。東側のテラスに出てみたが、こちらも、コンタクトレンズも吹っ飛びそうな強風。5分も出ていられなかった。

東照宮

地上で楽しもう、ということでガイドブックをぱらぱら見て、伊達藩の経済力を見せつける贅沢な造りと解説されてる東照宮に行くことにした。JR 仙山線で1駅なのだが、本数が少ない。次の電車は1時間後だそうだ。これは待てないと思い、バスで行くことにした。観光案内所でバス停の場所を聞いて10分も待たない内にバスがやって来た。市内を抜けて10分ほどで、「宮町五丁目」というバス停で下車。そこから少し歩く。
第一声、桜がきれい! 昨日もバスの中から見て思っていたけど、桜がちょうど満開、写真を撮ってっても絵になるわ。しだれ桜、染井吉野と同じ桜のピンクでも濃いものから薄いものまで混ざり合っている。
建物は仙台城址につづき改修中でよく見えず残念。

大崎八幡宮

東照宮からの帰りは JR 仙山線で仙台駅に戻った。また3時過ぎだ。またガイドブックを広げて、東北といえば地酒。青葉城址から国際センターへの途中に酒蔵後という札が立っているのを見たのできっと市内にも酒蔵があるにりがいない、と思ったのを思い出す。その予想の元にマップをしらみつぶしに見ると、大崎八幡の近くに天賞酒造という酒蔵を発見。ここに決めた。またまた、バスプールからバスに乗り、大崎八幡下にて下車。バスの中から目を皿のようにして見ていたところによると、天賞酒造はもう少し手前であった。大崎八幡宮。ここもとになく鳥居側の桜のきれいなこと。西に傾き始めた太陽光で桜がほんのりオレンジがかっているのが幻想的。またまた桜の魔力に魅了されて写真を何枚か撮ってここも後にする。
そして、目的の天賞酒造。黒壁が屋敷全体を覆っていてどこが入り口がわからない。やっと中に入る入り口を見つけて、なかで日本酒を選んだ。あまり大きな瓶は買えないので 180 ml のを1本。外観の黒壁がやけに立派だと思ったら、なんと仙台都市景観賞をもらっているそうだ。

会津若松へ

夕方5時、大崎八幡の1つ手前のバス停から乗車し仙台駅に戻る。この時間になるとさすがに帰宅ラッシュで交通量が多い。それでも仙台駅には15分もかからなかった。これなら、会津若松行きの一つ前のバスに乗れる。
駅前のデパ地下で今日の夕飯にうなぎ弁当とお茶、車内での茶菓子に仙台銘菓萩の月と萩の調べをバラで1つずつ買った。それとゆうのおみやげにささかまを購入。コインロッカーで荷物を取ってから、東口の高速バス乗り場へ。予約してあったチケットを出して1本早い17時50分のバスに交換してもらう。
仙台から会津若松は1時間35分の旅。うなぎ弁当を食べて、萩の月を食べたら眠気に襲われそのまま夢の中へ。

会津の夜

午後8時40分、少し遅れて会津若松に到着。
着いてびっくり。暗い。暗すぎる。駅前とは思えないほどの暗さ。しかもまだ9時前だよ。これはホテルを駅前にとって正解だった。ここから歩いて移動なんてあり得ない。初めての街で夜の一人歩きなんてもってのほかだ!
わたしはすぐに、ターミナルの右手にある予約を入れておいた駅前フジグランドホテルに向かう。チェックインをして、料金を納める。周りに店もなさそうなので、朝食も720円でつけてもらった。旧館と新館があって値段が安いから旧館を予約したのだけれど、やはり価格の差がつくだけはある。少し老朽化が目立つ。しかし、掃除は良く行き届いてるようなので不衛生な感じはしない。ちなみに宿泊料は4900円(税別)。
部屋に荷物を置いてから、もう一度エレベーターでフロントに戻り、脇に置いてあった観光関係のパンフレットを片っ端から集める。仙台は目的(メディアテークを見ること)もあったし、タケちゃんもいたのでそんなに気にしなかったけど、ここはわたし一人しかいないのだ。明日の夕方、東京に発つまでの間を有意義に過ごすために情報を集めなければ。

せんだいメディアテーク・朝

全面ガラスに青空が反射していてかなりきれい。

松島内景

福浦島へ渡る橋より松島を眺める。

自動改札

松島四大観の一つ、扇谷より松島を望む。

AER

仙台で一番高いビル AER。最上階に東向き、西向きに展望テラスがあり仙台の街を眺望することができる。

東照宮

東照宮鳥居。とにかく桜が満開。

大崎八幡宮

大崎八幡宮、階段上より鳥居を望む。

天賞酒造

創業文化元年 (1804年) の天賞酒造。その外観は仙台街並み景観賞も受賞している。

瓢箪大吟醸

自分のおみやげ用に購入した天賞酒造の瓢箪大吟醸、180 ml。870 円。

パンフレット

会津若松で宿泊したホテルフロント横にあった会津若松観光関係のパンフレット。いろいろな種類があってびっくり。