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会津若松歴史的建造物

会津若松市の街並み保存の概略

会津若松は城下町として全国にその名を知られているが、いわゆる「まちなみ」というのは残っていない。市内に歴史を物語る建物が点在している状況である。しかしこれらの建築ストックを生かし、活性化につなげるために様々な取り組みがなされている。
行政レベルでは「中心市街地整備改善活性化法」に基づき計画書「会津若松市中心市街地活性化基本計画 」を申請し中心市街地の活性化に力を注いでいる。街並み景観としては地区、歴史的、自然の観点から会津若松らしい景観をまもり、つくり、そだてることを目的として「会津若松市景観条例」を制定している。また「歴史的景観指定建造物指定制度」により、市内に点在している歴史的、文化的に価値の高い建造物を「歴史的景観指定建造物」に指定し、その保存と活用を模索している。
市民レベルでは町内単位では商店街を中心として結成された「七日市まちなみ協議会」などが会津若松の活性化に寄与している。
また、各商店街、まちづくり団体、企業、行政などがお互いに密接な関係を保ちながら、まち全体が成長していくための事業を推進していく会社として「株式会社まちづくり会津」が 設立され活動を行っている。

歴史的景観指定建造物

市内に点在する歴史的、文化的に価値が高い建物は、本市の町並みづくりを考えていく上で欠かすことのできない景観の一部分である。これらの建造物を「歴史的景観指定建造物」み指定し、その保存と活用を目的としたのが「歴史的景観指定建造物指定制度」だ。
この制度によって、市街地を中心とした歴史的景観を持つ建造物の調査をもとに、指定建造物の選定を行っている。指定建造物の選定は、会津若松市景観審議会の中に設置された「歴史的景観指定建造物選定部会」により、年代、形態、位置などに関する選定基準をもとに、77件を歴史的景観登録建造物として登録し、この中から抽出されている。毎年、もこの登録物件をもとに、順次指定建造物として指定されている。

歴史的景観指定建造物の選定の基準

    〔年代〕
  • 建築後概ね50年を超えるもの
  • 〔形態〕
  • 外観が伝統的様式や技法で建てられている建造物で、会津の歴史や生活文化が感じられるもの
  • 歴史的な町並みの雰囲気を醸し出しているもの、または修復することにより、保存、再生、活用の可能性が高いもの
  • 建築された時代の先端であったもの
  • 完成度の高いもの
  • 一定の建築様式を代表するもの
  • 〔位置〕
  • 通りからながめられる範囲にあるもの

会津若松まちづくりの感想

会津若松に到着し情報を集め出したとき感じたのは、パンフレットなどが多いことである。これはさまざまな団体や協会が会津若松の活性化のために人力を尽くしていることの証拠であろう。
また、ただ単に建築物を歴史的景観指定建築物としただけでなく、それらの観光の資源を巡るための手段を用意していることも評価したい。例として、わたしが利用した会津若松市観光公社運営の1日500円というレンタサイクルや、会津若松観光物産協会運営のまちなか周遊バス・ハイカラさんとそれを利用できるフリー乗車など、人を街の中で動かす仕組みも整えている。
会津若松の街は確かに地盤沈下していると思う。しかし、こういった人々の街を活性化させようという取り組みとその意気込みが伝わってきた。そう観光客にも感じさせることがまた街を元気にさせることに繋がるのだと思う。