4日目 — 2002.4.5

レンタサイクル

会津若松は街並み保存とそれを生かした活性化に力を注いでいるらしく、観光ガイドも見やすくわたしが出発前に名古屋で買ったガイドブックより詳しかった。昨日いろいろ調べた結果、会津若松の街はおよそ 3 km 四方でありそれほど大きくないので、1日 500円で貸し出されているレンタサイクルを利用し廻ることにした。駅までもレンタサイクルを貸してくれるが値段が高い上貸出時間が短いので、会津城下町めぐりレンタサイクルの方を選んだ。ハイカラさんバスという観光周遊バスも通っておりこれを利用する手もあるのだが、わたしがこれで街を巡ると不都合なことが起きるのだ。それは、会津若松に来た目的、会津ラーメンを食べるということができなくなってしまう。わたしがネットで調べた「めでたいや」はその周遊バス路線から離れているからだ。
ラーメンの他の目的も決まった。それはハイカラさんバスのパンフレットに併記してあった、会津若松市歴史的景観指定建造物を見て回り写真に収めること。歴史的景観建物を観光名所、昼食のラーメンを入れて大まかなサイクリングルートを作成していざ出発。(会津若松市歴史的景観指定建造物の詳細は別ページ)
朝食後、会津若松駅から少し離れたところにあるレンタサイクル大町ステーションへゆき、レンタサイクルの手続きを取る。どこに返却するかも聞かれたのだが、ここに返しに来るつもりだが、時間的がなくなったら飯盛山のサイクルステーションに返却すると答えた。

会津酒造歴史館

まず、第1番目の目的地、会津酒造歴史館に向かう。その途中でも地図を見ながら走っては止まり歴史的建造物の写真を取る。結局、七日町の駅の方まで行ったりしていたので、会津酒造歴史館に着いたのは11時半を回っていた。
酒飲みが、ここに来ないわけにはいかないだろう。250円の入場料を払って入館。酒造りの工程や道具などを展示しているほか、利き酒コーナーでは会津の地酒を味わうことができる。民芸館も併設しており会津の昔の暮らしぶりなども垣間見ることができる。ここで酒を買ってもいいかな、と思ったが、まだ午前中だし、何より自転車で移動中に割れたらシャレにならない、ということでやめておいた。

鶴ヶ城

お腹も空いたところだが、ルートを外れると大回りになるので、我慢して鶴ヶ城の見学。鶴ヶ城は戊辰戦争で、約1か月の籠城に耐えた名城。優雅に舞う鶴の姿に似ていることからその名が付いたらしい。再建された天守閣には、当時を偲ぶ資料が展示されており、5階は展望台になっている、また、城の東側に新しく麟閣という茶室が復元されており、その土壁の山吹色は綺麗であった。
城郭入り口付近の梅が綺麗だった。仙台でも満開だったから期待してきたのだけれど、内陸の会津はまだらしい。

会津ラーメン

自転車を漕いで少し北上、千石町近くにあるめでたいやに行く。これが会津若松のメインだ。さすが人気店ということで平日2時過ぎだというのにお店はまだ混雑していた。わたしはおすすめであったねぎ肉中華そば 750円(税別)を注文。
ここのラーメンは濃厚な醤油味。喜多方ラーメンというか会津ラーメンは初めて食べたのだけれど、やっぱり東北だけにわたしには少し塩っ辛かった。でもおいしかった。

飯盛山

それから、また自転車を漕いで、会津武家屋敷に向かったのだけれど、あまりおもしろくなさそうだったので素通り。実はその先にある向瀧という東山温泉の旅館を見たかったのだけれど、ガイドブックのきちんとした地図を見直したらかなり遠そうだったので行くのを取りやめ。引き返して飯盛山通りを北上してもいいのだけれど、なんかつまらないので、一本山手の道を自転車で走った。景色も良く会津若松の街が見渡せたりしたのだけれど、これが誤算。目的の飯盛山に着いたのはいいのだけれど、自転車では上にも下にも行けない道に出てしまったのだ。困った。少し手前に下る坂があったからそこから下りるしかないのだが、すぐそこの白虎隊が眠る墓にいくのにまた階段を上がってくるのはばかばかしい。なので自転車をちょっと山道に止めて残りの階段を登って白虎隊の墓を見に行くことにした。墓まで上がるスロープコンベアの途中から出てきた観光客に、地元の店主たちはかなり不審そう名目を向けた。息を切らして階段を登り切ると墓がならんでいるが、ただそれだけだ。白虎隊に興味のないわたしにはどうでもよかったのかもしれない。
少し下ったところにあるさざえ堂にいってみようと思っていたのだが、時計をみると15時40分。まずい。16時までにレンタサイクルをサイクルステーションに返さなければならないのだ。あわてて来た道を引き返して、自転車のあるところまで戻る。山道を自転車で下って道を渡って飯盛山ステーションに自転車を返却。寒さでかお腹も下痢気味だったのでトイレに駆け込む。

さざえ堂

すっきりしたところで、今度は階段でさざえ堂に向かう。さきほども思ったのだが、飯盛山は今まで巡ってきた会津の観光地とは違う。商魂たくましいというか、呼び込みとかがたくさんいて一昔前の観光地というか、ゆっくり旅を楽しむ雰囲気ではないが残念。さざえ堂には呼び込みのおばちゃんがいて次のように講釈を流ちょうに垂れていた。「登っていくとあら不思議、いつの間にか出口についてしまう。」400円の入場料を払い、内部に進入。確かに、進んで行くといつのまにか下りに入って、出口へと誘われる。螺旋が交差しているのだ。でも一応、下りへの変わり目はわかったから、入り口のおばちゃんはちょっと大げさすぎるんじゃないかと思った。わたしが一番びっくりしたのは、このさざえ堂を実測調査した人がいるということだ。内部に立面図と断図面が掲げられていた。床が水平でない建築物を実測するのはかなり苦労したのではないかと思う。おもしろそうだけど、自分ではちょっと実測したくない建物だよな。

さらば、会津

レンタサイクルを返却したわたしはバスで会津若松駅まで戻ることにする。しかし、会津武家屋敷での時間ロスが効いてるのか、まだ写真に収めていない歴史的景観指定建造物がいくつかある。しかも市内の中心地に固まっているので、バスを途中下車して写真を撮ることにした。もう日が暮れかけているからかなり暗いけど、文句は言えない。早足で何件か写真に収めて大町通りを会津若松駅へ急ぐ。ロータリーに入るすぐ手前の酒屋に入って、おみやげの日本酒を購入。なにやら品評会で賞をもらった、さっぱり系を購入。それから駅のおみやげ物コーナーでゆうに喜多方ラーメンの詰め合わせを買う。新宿に着くのは22時の予定だが、ゆうとびまよと夕食を食べる予定なので駅弁は購入しなかった。
コインロッカーから荷物をだして、昨日切符を購入しておいたのでスムーズに乗車、と思いきや、高速バス乗り場がわからない。昨日おろされたのはロータリーの中だったのでうろうろしていたのだが、新宿行きはない。そしてやっと案内板を発見。どうやら道路を渡ったところの高速バスターミナルから出発するらしい。

王子

会津若松から新宿までは4時間半。距離的にちょうど小田原−名古屋間と行ったところだろうか。一眠りするにはちょうどいい。おとつい買って食べてなかったポッキーをつまみながら、車窓の風景を眺める。社内放送を聞くところによると、どうやらこのバスは王子にも停車するらしい。新宿までの切符を買ってしまったが、ゆう住む巣鴨にいくなら王子で降りた方が近い。しかし、バス停が駅前ではなく高速道路上とかにあったらやっかいなので、王子近くになったら様子を見て、駅が近そうだったら王子で降りて高崎線と山の手を乗り継いで巣鴨に出よう。そのことをゆうにも伝える。王子到着は21時20分。新宿より大分早い。
うとうとしていたのだが、王子が近くなったようなので窓に張り付いて外の景色を見ていた。どうやら、首都高から降りたらしい。ということは JR 王子駅の近くに泊まることはほぼ間違えないだろう。でも、バスが王子のバス停に停車しても JR 王子の看板を確認するまではバスを降りなかったけど。
高崎線に乗る前にゆうに電話。結構早く着いたね、っていわれる。とびまよにも来るように連絡してくれるらしい。
巣鴨駅に到着して5分くらいでゆうは仕事場から直接来てくれた。でもとびまよはまだ仕事場らしい。駅前の大戸屋に入って食事をすることにした。待つこと20分。とびまよ登場。ずいぶん早くないか? といわれて、王子から来たことを伝えたけど、まだわかってないみたい。よく話をきいてみるとどうやらとびまよは「王子」を「八王子」の近くだと思っていたらしい。たしかにややこしい地名だよね。

明日の予定

ゆうの家でネットを使わせてもらって明日の予定を立てる。まずはこのまま旅を続けて、桜が今満開らしい甲府にゆく企画。高速バスで片道2000円弱。甲府で1泊もありかな、と思ったのだけれど、なんと天気予報が雨だった。天気の悪い旅行ほど悲惨なものはない。ということで却下。そのまま、名古屋に帰ることにした。

会津若松駅

会津若松駅前。

レンタサイクル

会津城下町レンタサイクル。1日 500円。

会津酒造歴史館

会津酒造歴史館。

桜

会津酒造歴史館横の早咲きの桜。でも3分咲き

鶴ヶ城

鶴ヶ城。戊辰戦争の際、約1ヶ月の籠城に耐えた名城の一つ。正三角形に近いシルエットは美しい。

麟閣

鶴ヶ城横に再建された麟閣。山吹色の土壁がきれい。再建に土壁だけでも相当お金かかっていそう。

めでたいや

めでたいや、らーめん。こってりとした醤油豚骨。塩味はややきつめ。

会津若松の街

偶然通りかかったビュースポット。飯盛山南より会津若松駅方向を望む。

白虎隊墓

白虎隊墓。夕方行ったからか薄暗く、ぞぞぞ、とした。

さざえ堂

さざえ堂。登っていくといつの間にか下っているという不思議なお堂。六角形の木造建築。

地酒

仙台に続き自分用おみやげのため購入。名倉山、夕弓。