3日目 — 2005.12.29

親子げんかはどこでも一緒

わたしはさっさと就寝し、耳栓&アイマスクで完璧防御をしていたので朝までぐっすり。そして起きるのも一番遅かった。
わたしが目が覚めるとなんとなく険悪な雰囲気が部屋の中に漂っている。
しばらく様子をうかがっていたところによると、どうもCママがホテルに移動したい、と言い出したようだ。そしてその理由として、昨日Cちゃんが夜不機嫌だったことをあげ、気を使わせて疲れさせたら悪いからというものだった。これにはCちゃん反発。わたしのためとかいってそれを言い訳に使って結局は自分がホテルにいきたいんでしょ、っていう言い分。Cママは日本での式の準備から、Mくんのお父さん、お兄さんが来日したときに使った気遣いの疲れがどっと出たみたいで、そうとう機嫌が悪いみたい。そして、人から気を使われることがあまり好きではないらしく、こういうお客様状態に耐えられないらしい。気を使わなくていいホテルの方が数倍気が楽みたい。けれど、ここはマレーシアの田舎。お家にお世話にならず、ホテルに泊まるとうことは、そんなところに泊まりたくないから、という意思表示になるらしい。
そのまま、朝食へ。険悪な雰囲気でマレー料理の朝食をいただく。メニューはナシゴレンとマトンのカレー煮、マレー風おでん、すり身魚の素揚げ、うすクレープみたいなものと、裏の農園で採れた揚げバナナ。朝からマレーご飯のオンパレードですよ。しかし、場の雰囲気は最悪。しかし、ほかの家族の争いごと。あまり立ち入ったことをいってもしょうがないので、わたしはマレーご飯をいっぱい食べた。まずは食べることが基本。これから先、ひとり旅になったらいつ食いっぱぐれてもおかしくないから、今のうちにいっぱい食べて体力をつけておこうという考え。

親戚のお家へ移動

さて、食事が終わってから、対策会議が行われた。CママにこてんぱんにいわれたCちゃんの愚痴をわたしが聞き、CママはMくんとCパパがなだめたみたい。Cママの不満は、人が多すぎることと、トイレに自由にいけないこと、トイレが濡れていること、あとCちゃんがマレーシアの民族衣装であるバジュクロンを着ていることも見ていて暑苦しいから嫌みたいだ。まあ、考えてみたら、娘が自分が育てた日本を捨ててマレーシアに嫁にいったみたいに感じてさびしいのかな? なんて思ったりして。でもCちゃんはただの更年期だよ、っていってたけど。
とにかく、話し合いの結果、親戚のお宅に移動して、それでもダメだったらホテルへ、というものだった。わたしの楽観的意見をいうと、CママはCちゃんを見ていていらつくのだから、Cちゃんが見えない状況になれば、大丈夫なのではないかということ。昨日の夜Cちゃんが疲れていて不機嫌になったのだって、わたしたちが親戚のお家に移動していたら見なくてすんだものだからね。そして、もう一ついうと、ホテルにはいつでも泊まれるけれど、ホームステイはなかなかできるもんじゃないから、近くにいていろいろなものを見たいというのが、わたしの希望。Cにそのことを伝えると、あさこんはいればいいじゃん、って話になった。よかった。Cちゃん家族が移動したら、わたしも一緒にホテルに移動かと思ったよ。一安心。
早速、食後、荷物をまとめ、親戚のお宅へ移動。車で2、3分。歩いても5分くらい。用意してくださっていた個室はシングルルームとダブルルームで、シングルをわたしが、ダブルルームにマットレスを入れてCちゃん家族が使うことになった。部屋はきれいに掃除してあって、こざっぱりしていた。
この家の住人はMくんの妹さんのダンナさんと後妻さんと預かっている赤ちゃんの3人。非常に静かでした。わたしは、さっそくこの何日分かを洗濯しようと思って、奥さんに英語で話してみました。しかし、英語通じず。次は持参してきた指さし会話帳で洗濯というところ指したけれど、首を振るばかり。結局、Cママがジェスチャーで服を洗うことを伝えた。う〜む。朝まで機嫌が悪かった人とは思えない、この成長っぷり。わたしは洗濯機で脱水までさせてもらって部屋の中に干しておいた。

コタ・ティンギのチキンライス

わたしが洗濯をしている間、C兄とCパパはM宅までお散歩にいっていたよう。ちなみにお散歩のことをマレー語で「jalan-jalan(じゃらんじゃらん)」といいう。某国内旅行雑誌ってここから名前とったのかしらん? C兄曰く、これから滝を見に行くとのこと。滝では泳げるらしく、水着を持ってくるようにお達しが。水着持ってきましたよ。なんてたって最後の地はランカウイですからね。着替える場所もないかもしれないと早速水着を着込むあさこん。
Mくんがワゴンでお迎えに来ました。水着を着込んだわたしの意気込みとは裏腹に初めはコタ・ティンギの街へ行くとのこと。水着、結構暑いんですけど。。。ちなみにいく途中、Mくんが通っていた高校や中学などにも案内してくれました。学校前にずらりと旗がたっていて、車で通りすぎようとしたMくんに写真が撮りたいといって車を止めてもらった。ちなみに、マレーシアには13の州と連邦直轄地があってそれぞれに旗があるのだそうだ。マレーシアの新学期は1月からということで、今日は入学手続きでいっぱい人が訪れているのだと、Mくん。
それからコタ・ティンギの中心街へ行きお昼ご飯を食べることになった。Mくんおすすめのコタ・ティンギいちおいしいチキンライス屋さんだ。評判のお店のようで1時を回っていたのですが店内は混んでおり6人分の席を確保するのは困難。待つことになった。そうしたらCママが待つの? みたいなリアクションをしたので、すかさずこういっておきました。混んでるってことはおいしいお店ってことですよ、と。それで納得したのか、待つことに決定。6人で店の前にいてもしょうがないので、周りの商店をぶらぶらした。
Cママが日傘がほしいということなので、雑貨店で折りたたみ傘を購入。水色のものを購入したのだけれど、開いたら中が水色で外側が銀色だった。まあ、よく日差しは反射してくれそうだけれど、マレーシアの傘ってこういうものなの?
そんなことをしていると、C兄が席が空いたと呼びに来てくれました。Mくんが適当に6人前頼んでくれたのだけれど、このチキンライスのおいしかったこと! わたしはこの旅で何度かチキンライスを食べましたが、ここのが一番おいしかった。

コタ・ティンギ・ウォーターフォール・リゾート

そして向かったのはコタ・ティンギ郊外にあるコタ・ティンギ・ウォーターフォール・リゾート。なんとここ滝に入れるらしい。とりあえず一番上まで登って見て回ったけれど、結構階段がきつい。日頃の運動不足だなこれは。そして、ところどころに網が張ってある。Mくんの説明によると昔はこれはなかったそうだ。しかし、滝から落ちて死ぬ人が何人か出たので網が張られたとのこと。わたしが、水に入っていいか? とMくんに訊くと、後見人としては滝の下で入るのをお勧めする、とのこと。もしものことがあったらね。そうね。
水に入りたくてうずうずしていたので、降りてきたらCちゃんに荷物を預けて、さっそく岩場を歩いて水辺へ近づく。しかし岩がぬるぬるして滑るんだわ。滝に無意味に打たれてきました。滝の水は意外にも重くて、スーパー銭湯にある落とし湯みたいな感じでした。でも実際の滝に入ったのって初めてだわ。
滝に打たれ、死んだように浮かんでみたり(←これわたしの得意技、真水でも浮き輪いらずで浮けるのです。海で疲れたときなんかも波に揺られながら浮かんでます)してたけど、寒くなってきたので上がることにした。シャワー室があるよ、とMくんがいったので温水シャワーで暖まれると思ったら、真水でした。そうここはマレーシア。シャワーのことをmandi(マンディ、水浴び)というのだ。あはは。

コタ・ティンギのスーパーマーケット

Cちゃん家族は結婚式が終わった次の日にはマレーシアを後にするので、おみやげを買おうということに。手頃な値段でおみやげが手に入るところといえば、スーパー。そこで、Mくんが散髪に行っている間、買い物をすることになった。1件目のスーパーは少しさびれていて、2件目の下が市場になっているスーパーにいった。手荷物は入り口で預かってもらう。あと写真は撮ってはいけない。Cパパが首からデジカメを下げていたら入り口のガードマンに注意された。
わたしはこの先旅が長いのでさらさら買う気はなかったので荷物持ち。カートを引いてごろごろ回っていると、髪を切ったMくん登場。なんかさっぱりしてる。一緒に髪を切ってもらったC兄は車に残してきた荷物の見張り番ということ。でもC兄の分のおみやげも買わなくてはならなかったので、わたしが車番を交代した。ちょっと泳ぎ疲れて座りたかったというのもある。

イナイ

この日は結婚式屋さんがやってきて披露宴のセッティングをしていった。天蓋とピカピカのソファーとひな壇を設置していた。そして、今日いよいよイナイと呼ばれるヘナ(髪とか染めるヤツ)で爪とか肌とかに模様をつけるという行為をやるよう。1か月は消えないとのこと。これは行く前に聞いて興味津々だったので、わたしもやってもらうことになっていた。
これをやると4時間動けないというので、夕食を食べたあと、M宅でシャワーを借りた。上がってくるとCちゃんは既に手を差し出して模様を描かれている。ちょうどケーキにデコレーションをするみたいな感じ。見ていると緑の葉を持ってきてくれた。これがヘナの葉っぱらしい。これをミキサーで砕くとにすると茶褐色なペーストになる。インスタントの粉も売っているようで、それも混ぜてペーストをMくんのお姉さんがつくってくれた。
いよいよイナイの始まり。第1関節の下にマスキングテープをして、それの上にお団子のようにヘナのペーストをくっつけてゆく。これで4時間じっとしているのだ。その内にCちゃんの模様書きが終わった。で、そのあまりでMくんの姪たちがわたしに模様を描いてくれるという。初めは右手だけ、とか思ってたけれど、この際だからフルでやってもらおうと、手のひらと足の甲もお願いした。2人がかりで。模様に決まりはなく、自由に書いていくんだけど、これがうまいんだな。すごいよ。そんなことをしているうちにヘナ大会になってしまって、誰彼も関係なくヘナで模様を描き始めたり、指先につけたり、みんな遊んでた。ヘナが染みこむのを待ってる間、MくんとCちゃんの日本での式のビデオを見る。画面にお父さんやお義兄さんが出てくると盛り上がる。12時前チェックが入り、ヘナを落としてもいいことになった。わたしは結構色が入っていたけれど、Cちゃんはあまり色が入らなかったようで、明日やり直すようだ。
今日は遅くなるのでMくんがせっかく運んだ荷物を親戚のお家からわざわざ持ってきてくれた。リビングで雑魚寝。今日もアイマスクと耳栓が役に立つ。一応わたしにはマットレスと掛け布団(共用)が与えられたけれど、その掛け布団が向こうに引っ張られてゆく。しかも途中から誰かが扇風機をかけたらしく激寒。寝られないかと思ったよ。

朝ご飯

朝ご飯。マレー風おでんとチキンのカレー、魚のすり身の素揚げなど。

マレーシアの家

お世話になった親戚のお家。一般的なマレーシアの田舎のお家。

寝室

寝室。こざっぱりして居心地よかったです。窓を開けて寝ていると朝方は寒かった。

旗

中学校前の旗。入学手続き中。マレーシアには国旗とそれぞれの州に旗がある。

チキンライス

コタ・ティンギの人気レストランで食べたチキンライス。タレがピリ辛でした。

レストラン外観

レストランの外観。お昼過ぎなのに人がたくさん。

廃墟

開店後1年で閉鎖に追い込まれたホテル跡。田舎ではホテルに泊まる客がいないらしい。

モスク

お昼のお祈りに訪れたコタ・ティンギのモスク。1日6回もお祈りしなくちゃいけないなんて大変だ。

コタ・ティンギ・ウォーターフォール・リゾート

コタ・ティンギ・ウォーターフォール・リゾート。わたしも入って滝に打たれてみた。ちなみにマレーシア人に泳ぐという習慣はないらしくみんな洋服のまま水に浸かっていた。

看板

屋台の看板。「BENJO」って。どういう意味なんだろう。

鶏肉

マーケットでは鶏肉が丸のまま売っていた。

駐車券

マレーシアの駐車券。これをフロントガラスに置いておけば1時間停められる。冊子になっていて購入するらしい。

ヘナ

ヘナで模様を描いているところ。

メコンクルーズ?

ヘナの元の葉っぱ。木の葉をちぎってミキサーにかけると茶色くなる。不思議。

メコンクルーズ?

4時間くらい放置すると皮膚に色が染みこむ。1か月くらいとれないらしい。