『ムンクを追え!「叫び」奪還に賭けたロンドン警視庁美術特捜班の 100 日』を読んだ。
2004 年にムンク美術館のパステル画の「叫び」が盗まれたのはどうでしょう好きの人なら知っていると思う。今ノルウェーに行っても、大泉さんが絵の前でポーズをとった「叫び」は残念ながら見られないのだ。
図書館にあったこの本は、オスロ国立美術館に所蔵されていた「叫び」で、どうでしょう班一行が欧州リベンジで最初に訪れて休館だった方の「叫び」のお話。 1994 年に盗まれてその奪還劇をヒルというロンドン警視庁の囮捜査官を軸に、過去の美術犯罪や犯罪者の心理などを織り交ぜながら描いているノンフィクション。
個人的には何度も同じ記述が出てきてちょっと回りくどいかな、という印象を受けた。ムンクの「叫び」の事件だけ知りたいと思うとややもったいぶった印象を受ける。
あとやはり訳本だからだろうか、文章も直訳に近く、人名に形容詞がつく文章なんかが多く見られて、ちょっと読みにくかった。もう少し自然な日本語だともっと面白かったのに。
最後の方は息をのむ展開でなかなか面白かった。最後まで読むと間に入っていた小話も意味があったのだと納得できるけれど。