Luminar Neo は買い切りだからいいといっていたのですが、 2025 年秋のアップデートの写真の「修復」機能が気になったので、アップグレードを購入してしまいました。 AI を使った写真の修復がどうなのか、節目写真館でスキャンしてもらった古い写真を使ってレビューしていきます。
目次
Luminar Neo の 2025 年秋のアップデート
Luminar Neo の 2025 年秋のアップデートが発表されました。新機能は以下です。
- 修復 — ワンクリックで古い、傷ついた写真を復元:傷の修復、色の補正、ディテールの復元が簡単に行えます
- クロスデバイス編集 — モバイルで編集を開始し、デスクトップで仕上げて内容は自動で同期されます
- スペース — 写真をあっという間に美しいオンライン ギャラリーとして公開・共有できます
- 光の奥行き — 光、深み、コントラストを瞬時に追加し、立体感のあるプロ品質の写真を実現します
- AI アシスタント — 写真編集の相棒が写真のクオリティを高める方法を瞬時に提案します。 (2025 年 12 月リリース )
このなかでわたしの心に刺さったのは「修復」機能です。節目写真館で古いアルバムデータを大量にデジタル化してもらったのですが、その AI 色補正が色だけでなくピンボケまで修正していまうので、人の顔が別人になっていることが多かったのです。
そこで節目写真館はスキャンした元の画像もデータとしてもらえるので、 Luminar Neo のエコシステムパスを購入して、修正をしようと思いました。
→ SKYLUM : Luminar Neo
→ソースネクスト: Luminar Neo (ルミナーネオ)
写真の「修復」の実例
手始めにモノクロ写真(白黒写真)の修復を行いました。修復には「フル」「カラー」「傷」の 3 種類あります。
いろは坂の紅葉の写真(モノクロ・プリントスキャン)
これは亡くなった母が修学旅行で撮った写真で日光のいろは坂です。
重要なのがアルバムのキャプションに「イロハ坂 紅葉がきれいでした」と書いてあるのです。本人からも「いろは坂の紅葉がきれいで写真をパシャパシャ撮ったけれど、白黒写真だったのよ」という笑い話を何度も聞かされていました。どれくらいの再現力があるのか試すのにはもってこいの写真です。
写真をドラッグ・アンド・ドロップで「修復」のエリアに入れて、試しに「フル」を選んで復元してみました。
しばらく待つと色がついた写真が生成されてきました。右下の方は赤いですが、ここらへんは針葉樹なので紅葉しません。たぶん中腹あたりが紅葉しているのだとおもうのですけれど。
同じ写真を何度も修復すると、違う結果が出てくるようなので、もう一度修復してみました。するこ今度は紅葉の「こ」の字もない緑の森の写真が帰ってきました。フィードバックに「いろは坂の紅葉写真」だという趣旨を入力して 3 回目にチャレンジしました。
全体的に赤っぽい写真ができあがりました。多分赤と黄色できれいだったのだと思うのですけど。
銀閣寺(モノクロ・プリントスキャン)
父が中学生の頃に家族旅行に行ったときに撮ったと思われる銀閣寺です。退色して色褪せしてキズもひどいです。
まずは「傷」の修復をしてみました。傷だけでなく退色した色も戻ってきました。
次に「フル」で修復してみました。するとどうでしょう。銀閣寺の檜皮葺の屋根が瓦屋根になってしまいました。これはありえない修復なので、そのようにフィードバックを送っておきました。
ちなみにわたしがほぼ同じアングルから撮影した銀閣寺の写真をフィルムスキャンしたものの黄変補正後です。建物自体が修復されているのもあるかもしれませんが、比べてみると窓の形状が違うことがわかります。 AI の生成が画像はただのアーチの窓になってしまっています。
金閣寺(モノクロ・プリントスキャン)
銀閣寺をやったら金閣寺はどうなんだろうと思って写真を探していたら母が撮ったモノクロ写真の金閣寺がありました。
「フル」で修復してみました。さすがに金閣寺は金閣寺と AI も認識しているようで外壁を金色にしようとがんばっている感じがします。池の水色が不自然ですが。どちらかというと緑色です。
同じ様なアングルからわたしが撮った金閣寺の写真。フィルムスキャンしたものの黄変補正後です。
門司港駅(モノクロ・フィルムスキャン)
節目写真館のときにも例に挙げた母が撮影した門司港駅の写真です。これを「フル」の修復をかけてみました。
門司港駅の外壁が赤くなってしまいました。外壁がレンガと勘違いしているのでしょうか? そしてやはり「門司港駅」の看板の文字がおかしなことになっています。 AI の教師データに漢字が足りないのでしょう。
2 回目を試してみたらもっと赤くなってしまいました。
3 回目。どう試しても外壁が赤くなってしまいます。
これがわたしが撮影した門司港駅の写真です。外壁は赤みがかったグレーです。
→門司港駅ものがたり:門司港駅案内
上記サイトによると「外壁は⽯貼り⾵の⽬地を設けたモルタル塗」だそうです。
1929 (昭和 4 )年には正面に車寄せの庇を取り付け、外壁を黒く塗っている。そして、修復直前の 2012 年には、ピンク色の外壁に緑色の屋根という姿になっていた。
→ LIFULL HOME ’ S PRESS :大正時代の「一等駅」北九州・門司港駅の復原が完了。現役の駅舎である重要文化財の工事とは
上記記事によると改修が繰り返されており、モノクロ写真が撮られた当時の外壁の色は黒だったようです。レンガ調の赤ではないことは確かです。
厳島神社の大鳥居(モノクロ・フィルムスキャン)
安芸の宮島、厳島神社の大鳥居です。(母が写っているので顔はぼかしました。)
「フル」で修復後です。顔をぼかさなくても本人とは別の顔になっているので問題ないくらい顔の修復が苦手なようです。厳島神社の大鳥居の赤の色も微妙です。もっと赤くするようにフィードバックしたのですが、赤くなりませんでした。
満潮時だけれど大体同じくらいのアングルからわたしが撮った写真。赤の再現が苦手なのかも。
宮崎 都井岬(カラー・フィルムスキャン)
ネガフィルムを確認せずスキャンに出したら、カビで緑色に変色してしまっています。
「傷」の修復をかけてみました。空の緑色のカビはきれいに消えました! しかし全体的に黄色っぽくなってしまいました。
今度は「フル」で修復してみました。彩度は復活しました。もう少し緑色が深いといいのですけれど。このあたりは手で補正するしかないのでしょうか。
京都の山(カラー・フィルムスキャン)
母が撮った京都の山の写真です。これも緑色のカビが生えてしまっています。
「傷」で修復してみました。カビがきれいに消えています。空と緑の森系の修復は得意なようです。
鎌倉の流鏑馬(カラー・フィルムスキャン)
節目写真館の AI 色補正のときにも例に出した鎌倉の流鏑馬の写真です。
「カラー」のみ修復してみました。全体的に緑っぽかった写真が赤に傾き過ぎています。うまい具合に補正してくれないものですね。「傷」の補正をしなかったので、背景の人のボケも自然なままです。
ハワイのラン(カラー・プリントスキャン)
父がハワイにいったときに撮ったランの花の写真です。プリント写真からスキャンしたものです。
「フル」で修復してみました。全体的にセピア色っぽくなってしまいました。退色したカラー写真の色補正は苦手なようです。
節目写真館の AI 色補正です。こっちの方が本来の色に近そうな気がします。
ナイアガラの滝(カラー・プリントスキャン)
これも父が撮った写真のプリントからのスキャンです。
これはまあまあに色がつきました。しかし「フル」で修復したのに、ゴミが残っているのが残念です。
Luminar Neo の修復機能を使ってみての感想
風景写真は比較的修復が得意なようですが、赤の再現が弱いです。退色したカラー写真の色補正はもう少しがんばってほしいです。
モノクロ写真の着色はあまり本物を期待しない方がいいです。どうだったか知っていたらおかしな写真だけれど、知らなければありかもしれません。いっぱいフィードバックを送ったら段々賢くなるのでしょうか。(フィードバックを送るポップアップの表示時間が短いのをどうにかしてほしいです。)
ただ「キズ」の修復機能をかけると人の顔や文字がおかしくなるのはどうにかしてほしいです。これがどうにかならない限りスナップの補正には使えませんね。節目写真館の AI 色補正もおなじような結果だったので、人の顔と文字の AI 補正は現状では難しいのかもしれません。
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