バーレーンのテストが終わり、いよいよ来週はメルボルンでの開幕戦です。
今年は大幅なレギュレーション変更があったのですが、その中で一番大きいのがエンジンの変更です。エンジンは 1.6 リッター V6 ターボエンジンとなりました。テストの結果を見る限り、エンジンを中心とするパワー・ユニットのサプライヤーで勢力が別れてしまっている感じです。大雑把にいうとメルセデス勢がダントツで、次がフェラーリ勢、そして大きく離されてルノー勢です。
そんな感じのテストですが、今年のわたし個人的な見どころを書いてみました。
目次
ロズベルグとハミルトンのナンバー・ワン争い
メルセデスのパワー・ユニットを載せているチームの中でもやはり一番は、ワークスのメルセデス AMG 。今年の本命でしょう。そのメルセデスにはニコ・ロズベルグとルイス・ハミルトンといういいドライバー 2 人がいます。去年ロズベルグとハミルトンがワールドチャンピオンを争うのを見たいと書いたのですが、こんなに早くその機会が巡ってくるとは! 本当に楽しみです。
しかしいいマシンにいいドライバー 2 人が揃えば起こるのは、どっちかナンバーワンドライバーかという主権争いです。 2 人ともがコンスタントに表彰台に載って、差がなく後半にもつれ込み、チームがどちらを優先するのか決めれない場合、泥沼になっていくでしょう。去年はロス・ブラウンがそのあたりをうまくコントロールしていましたが、今年は彼はいません。泥沼化した場合、ドイツ人国籍であり親子二代でワールドチャンピオンという話題性があるロズベルグが優先される可能性が高いのでしょうか。ハミルトンがメディアに不満をいったりするのかが楽しみです。
マッサの復活なるか
メルセデス AMG についで調子がよいのがウィリアムズ。去年は散々でしたが、今年はメルセデス・エンジンと基本に忠実なマシン設計のおかげか、テストでいい結果を出しています。
そのマシンに今年乗るのは、去年までフェラーリにいたマッサくん。去年まではアロンソのポチ状態だったマッサくんですが、いいマシンを手に入れて、ナンバーワン待遇で好きなように走れます。俄然やる気になっているんではないでしょうか。マッサが久しぶりに表彰台のてっぺんに立てるのか注目です。でもマッサくんは肝心なところで運がなかったりするので、彼が一流なのか二流なのかがはっきりわかるでしょう。
ベッテルの人間性
4 連覇を果たしたレッドブルですが、今年はルノー・エンジンがダメダメなため、テストではまともに走行できていません。この 4 年間、先頭を気持ちよく走っていたベッテル。そのベッテルが後方争いをすることになります。彼はそれに耐えられるのか。先頭を走っている分には余裕のベッテルですが、満足な走行ができない状態で彼はどうなるのか。コース外でも気さくな兄ちゃんでいられるのか、それともチームに不満を持ち、ブーたれてチーム内で孤立してしまうのか。そんな中で万が一リカルドがベッテルより前でゴールなんかしてしまったら……、完全に怖いもの見たさですね。
フェラーリはマシンとチームの問題だといつ気がつくのか
フェラーリはメルセデス AMG 、ウィリアムズ、フォースインディアの次あたりにつけています。強いアロンソと速いライコネンの 2 人のドライバーですが、今年もいい結果はあまり期待できそうにありませんね。フェラーリの会長さんに問題はドライバーではなく、マシンやチーム体制なのだと早く気づいてほしいです。
可夢偉がポイントを獲れるか
一年のブランクを経て F1 に復活を果たした小林可夢偉。今年乗るマシンはケータハムです。お世辞話にも速いとないえませんが、レギュレーションが大幅に変更された今年はチャンスです。しかしケータハムもルノー・エンジンなんですよね。ルノー・エンジン勢の中では比較的安定しており、テストの周回も重ねてはいるのですが、何よりスピードが遅い! 致命的に遅い。しかしレギュレーションが大幅に変わった年に大切なのは信頼性です。開幕からヨーロッパに戻る 4 戦の間で、他のマシーンがバッタバッタとマシン・トラブルでリタイアしていく中、遅くてもいいからコースに残って 1 ポイントでも挙げてほしいです。なんならスコールが降りやすいセパンで雨天中止のハーフポイントでもかまわない。とにかくケータハム初めてのポイントを可夢偉にもぎとってほしいです。
こんなところに注目しながら今年は楽しみたいと思います。