高速コーナーのあるスパ・フランコルシャン・サーキット。ザウバーは得意なんじゃないかと思っていたら、予選で可夢偉が 2 位。ペレスも 5 位(マルドナードのペナルティーで 4 番グリッドスタート)。日本人初優勝も夢じゃない、ってワクワクしながら見た決勝。ああ、こんな結果になるとは。
スタート前、可夢偉のタイヤあたりから上がる白煙。なんか嫌な予感。そしてスタート。マルドナードがフライング? っていうほどの素早い反応で真ん中を抜けてくる(レース後審議対象)。可夢偉はスタートが遅れる。マルドナードに行かれ、ペレスにもインと取られ、としているうちに、中段でグロージャンがハミルトンに幅寄せしてグロージャンの右リアとハミルトンの左フロントが引っかかって宙を舞う。アロンソ、ペレスも巻き添え。グシャグシャのごろんごろん。以上 4 台はリタイア。可夢偉もハミルトンのマシンが右フロントに突き刺さってくるけれど、危機一髪で右に逃げてる。フロントウィング交換して可夢偉はなんとか走り続けるけれど、ポイント争いには絡めず 13 位。ポイント獲れればチームの士気もあがっただろうけれど、マシンのバランスとか狂いまくってて本来の速さを失ってしまったから仕方ないんだろうな。
レースはバトンがポール・トゥ・ウィン。一人旅すぎてほとんど画面に映らなかった。ジェシカがサーキットに来ているときのバトンの勝率ったらすごい。勝利の女神だよ、道端ジェシカ様は。
2 位は Q2 敗退だったベッテル。後方スタートだったのが幸いしてクラッシュに巻き込まれなかった。正確にはパーツを踏んでタイヤ交換してコバライネンの後ろまで下がったけれど、着実に順位を上げて 2 位。中でもシューマッハとのピットストップでの対決は見物だった。シューマッハはピットに入ったのを見たらクピって向き変えてステイすることを選んだ。そして十分な差をつけてピットストップ。間にリカルドを挟んでシューマッハの前でベッテルはコースに復帰。見事!(ピットストップ手前での交錯がレース後審議対象になっている。)
3 位はライコネン。 1 コーナーのクラッシュをうまくすり抜けバトンの後ろ 2 位につける。イエローフラッグ後の再スタートで 2009 年のスパのときのように魅せてくれるかと思ったら、 5 速を失ってるとのこと。バトンに追いつくどころじゃない。でも徐々に 5 速がないドライブのコツをつかんだのか、先頭集団に食いつく。特にシューマッハとのバトルはすごかった。一度コーナーでライコネンがシューマッハを交わすも、次の DRS ゾーンでシューマッハにあっさり抜き返されてしまう。ライコネンの車は DRS を使用しないと最高速が遅い。その後、何周かシューマッハを追いかけるも DRS ゾーンでは DRS を使っていないシューマッハと使っているライコネンが同じくらいの速度。でライコネンは結局どこでオーバーテイクしたかっていったらオールージュのシケイン手前。先が見えないオールージュをあの速さであのラインを通っていくのは鳥肌立った! そしてキャメルストレートを DRS を使って駆け抜けてシューマッハの追撃を逃れた。 DRS を使わない時のトップスピードが遅いライコネンのマシーンではいくら高速コーナーでオーバーテイクしても、次の DRS ゾーンでシューマッハに抜き返されてしまう。だから DRS の検出ゾーンとアクティベーションゾーンの間でオーバーテイクしたわけだ。すると、 DRS ゾーンではシューマッハの前にいるにも関わらず DRS を使って逃げることができる。そして追うシューマッハは DRS を使えない。考えたな。たぶん他のコーナーでオーバーテイクしようと思えばできたんだと思う。でもその後の守りを考えるとオールージュしかなかったんだね。しかしスパ・マイスターのライコネンじゃないとオールージュでオーバーテイクしようなんて思わないよね。
とにかく、スタート直後にあんなクラッシュがあったにも関わらず、けが人がでなかったのは幸い。クラッシュの原因となったグロージャンとジャンプスタートしたマルドナードは危険。ここのところマルドナードのペナルティーは日常茶飯事すぎてグロージャンのことをあんまり目に止めてなかったけれど、グロージャンの方が 1 つ間違えば大事故になりそうな危ないスタートばかり。スタートでクラッシュしたのって今季 3 回目くらいじゃないかな?(記憶が曖昧だけど。)スタートが下手っていわれても仕方がないよね。
来週はイタリア、モンツァ。ピットレーンでの接触とかレース後審議が多かったレースでそれによってはかなりグリッドの変更がありそう。無論、スパのレース結果も変わりそう。