昨日 F1 中国 GP を見ました。正確にいうと予選を見る時間がとれなかったので、決勝が BS で放送される時間に予選を見てから決勝を追っかけ再生したのです。
今回の中国 GP でまずいっておかなければならないことは、ログベルグの初ポール、初優勝。なんと F1 参戦7年目の 111 戦目での初ポール初優勝だそうだ。 11111 って並んでなんだか縁起がいいですね。ロズベルグは良いドライバーだけれどどうして今まで勝てなかったのかって考えてみると、やはりチームメイト運が悪かったってことだろうな、と。まだ若いときにチームメイトから学べる部分が少なかったんだと思う。ウィリアムズ時代は当然のこと、メルセデス GP に移ってワールドチャンピオン経験者のバトンと組めると思いきや、ブランクが 3 年あったミハエル・シューマッハと組むことになっちゃってかわいそうだなって思った。でもそのブランクもありつつも仮にも 7 回ワールドチャンピオンになった男だし、 GP に対する姿勢みたいなものは学べる部分があるんだと思う。ニコ・ロズベルグ自身はチームメイトがこれからもミハエル・シューマッハで構わないみたいだし。
そんなチームメイトのミハエル・シューマッハは予選は 3 位だったものの、ハミルトンのグリッド降格で 2 位のポジションからスタート。後続をうまく押さえてすばらしいセカンドドライバーみたいな働きをしていたのだけれど、最初のピットストップで右リアのネジが閉まり切らないでコースに出てしまってそのままリタイアとなった。タイヤ交換後シューマッハが発進していくときに、右リアのネジを止める役目のピットクルーがあ〜って手を伸ばしてその後地面を叩いていたのが印象的だった。シューマッハが脇に車を止めたとき、ああ、タイヤがうまくはまってないんだな、って思ったのだけれど、案外解説の人たちってピットクルーの様子なんて見ていないんですね。これがなければワン・ツー・フィニッシュできていたかもしれなから、もったいないネジ締めミスだわ。
このニコ・ロズベルグの優勝はメルセデス GP にとっても大きな意味を持つと思う。メルセデス GP の初優勝っていうのもそうなんだけれど、親会社のダイムラーから F1 を撤退するようにいわれているみたいだから、ちゃんと結果を出す必要があった。ロス・ブラウンは考えたはず。どこのグランプリなら優勝できる可能性があるか。それは直線が長く、路面温度があまり高くならない中国 GP しかないと。直線が長いサーキットは他にもあるけれど、これから北半球では夏になっていくから路面温度が高くなって、メルセデス GP の車じゃタイヤが持たない可能性が高い。優勝するならここだ、と。
しかし、今年の F1 は混戦でかなり楽しいね。去年はベッテルのひとり勝ちっていうのもあったけれど、ストレートで DRS を使ってマシーンの性能差でオーバーテイクをしているだけ、っていう感じで興ざめだった。でも今年は DRS で差を詰めて、その後のコーナーのブレーキングでオーバーテイクしていく感じのが多くて楽しいね。何かルールとか DRS ゾーンの設定とかが変わったんだろうか。
あと最後に予選 4 位、 3 番グリッドからスタートした小林可夢偉。日本人初表彰台か、とかいわれちゃってたけれど、全然ダメでしたね。まずスタートで右に出てログベルグとシューマッハの間を抜けようとしたけれど、シューマッハも左に動いたからスペースがなくなって行き場を失ってどんどん後退していった感じ。スタート時に左に出ていたら、バトンが通ったようなコースでスルスルっていけたかもしれないのに残念。レース後のインタビューではスタート時の速さがなかったっていっているけれど、速さよりスペースがなかったように見えたよ。
あとは 2 回目のピットストップの前、マッサの後ろをぞろぞろみんなで走っていた時、可夢偉だけタイヤ交換に向かった。結局隊列を組んで走っていたマッサ、ライコネン、可夢偉、ベッテルのうち可夢偉以外は全員その後タイヤ交換せずに 2 ストップだった。ライコネンみたいにタイヤに負担をかけちゃってズルズル順位を落としていってしまってポイント圏外へ落ちてしまったドライバーもいるし、ベッテルみたいに持ちこたえたドライバーもいた。まあある種の賭けだったわけだけれど、あの隊列を組んでいるとき他のドライバーがまさか 2 ストップでいくとは思っていなかったんだろうね。可夢偉は 2 回目のピットストップ後ソフト・タイヤを履いていたわけだし、新品のミディアム・タイヤも残っていたから、タイヤ交換した方が安全だったんだろうね。しかしどのピットストップもタイヤ交換後戻すところが悪すぎる! 可夢偉から幸運がこぼれ落ちてる感じがする。
さて来週はバーレーン GP 。無事に開催されるのかな? ドライバーはサーキット以外も命がけだね。