昨日というか今日の夜中ですけれど、静岡はあさひテレビで放送された『水曜どうでしょう Classic 』の録画を見ました。静岡では北海道より遅れること 5 週、アメリカ横断の第 7 夜を放送していました。あのインキー事件の回です。
わたしにはこの回が恐いミスターから今のくにゅくにゅのミスターへのターニングポイントなんじゃないかと思っているのです。
アメリカ横断の第 7 夜のインキー事件は、それまで寝坊を繰り返してきて、しかもホットスプリングスなんかに寄り道しちゃってたるんでいる他の出演人を一喝して、この日は早起きして走るっていうときに、ミスターがキー綴じ込みをして出発を 2 時間も遅らせちゃうっていう事件。ついでに部屋の鍵もインキーしちゃって、インキーにインキーという名台詞も大泉さんから飛び出たんだけれど。
この事件はそれまで強い立場で引っ張っていくミスターが失敗をすることで大泉さんや藤村 D と肩を並べたというか、それ以下の扱いを受けることになる。
ミスターは後日韓国映画修行の壮行会( DVD 第 5 弾収録)で語っているけれど、原付西日本でどうでしょうにはもう戻ってこないつもりだったと。それは引っ張っていくという役目ではないのだ、といのをアメリカ横断のインキー事件で悟ったのではないのかと想像するのです。それ以後、ミスターは番組での自分の立ち位置をずっと探していたんじゃないのかと。
でも皮肉なことにミスターが立ち位置を模索しているこの年は「黄金期」と呼ばれているくらい名作がそろっている。「アメリカ横断」「原付東日本」「シェフ大泉夏野菜スペシャル」「ヨーロッパ・リベンジ」などなど。そのほか細かい企画も秀逸なものばかり。
それぞれの立ち位置が決まってしまっている今のどうでしょうもそれはそれでおもしろいけれど、それぞれが模索してアンバランスで未完成などうでしょうも、その時にしかあり得なかった貴重な産物なんだとわたしは思うのであります。