旅行中、インドで現地在住の友達との連絡手段を確保するために、現地のプリペイド SIM を調達しました。初めは iPhone 5s の SIM フリー版を購入して、帰国後売り払おうと思っていました。しかし iPhone SE 発売予定がちょうど旅行中だったので、帰国後価格が暴落していてもおかしくないな、と思い、義兄から docomo ブランドの SIM フリー機を借りて、ダメ元でアンロックアダプタ(下駄)を試してみることにしました。
結論から書いてしまうと、インドでは下駄( R-SIM )は利用できるにはできるが、制約が多すぎて使い物にならないということです。素直に SIM フリー機を用意することを強くおすすめします。
目次
インドの SIM は空港で手に入れるべし!
事前に調査したところインドの現地 SIM は空港で手に入れるのがベストみたいです。何年か前までは街の携帯屋さんでも SIM を調達できたみたいなのですが、外国人への SIM 販売が厳しくなったようで、空港か各携帯電話会社のオフィスでしか契約できなくなったみたいです。空港がおすすめなのは、外国人への SIM 販売を専門にやっているようなものなので、手続きに慣れていて早く終るとのことでした。
実際にデリーのインディラ・ガンディー国際空港のターミナル 3 到着口にある Airtel で手続きしたところ、 10 分足らずで終わりました。必要だったのはパスポートのみ。パスポートの写真のあるページと e ツーリストビザのページをコピーされました。顔写真はその場で撮影されました。記入する書類もインドの知り合いの電話番号などなにも必要なし。びっくりするほど簡単でした。(ただしインド訛りの英語で何をいっているかさっぱりわかりませんでしたが。) SIM は夫の分もと思い 2 枚買ったのですが、パスポートの提出はわたしの分だけでよかったです。 1 人 2 枚まで契約できる模様。(写真は国内線でアウランガーバードから戻ってきたときに撮影したものなので人が多いです。)
確認されたのが、今日はどこに泊まるのか、ということと、明日はどこにいるのか、ということです。デリーの友達の家の泊まると答え、次の日も同じ所にいると答えると、 SIM を発行してくれました。これはインドでは SIM を使えるようにするのに、アクティベーションが必要で、アクティベーションをするのにデリーを出たら(契約した州を出たら)できなくなってしまうためだと思われます。
SIM を半ば強引に iPhone 5s ( docomo 版)に差され、(深夜到着だったからか) 10 時以降に指定の番号に電話をかけ、パスポートの下 4 桁をプッシュしろ、といわれました。どんなプランを契約したかわからなかったのですが、 1 枚 Rs 750 でした。あとからわかったのですが、通話 Rs 100 、データ 1 GB のプランだったようです。
ちなみに Airtel のカウンターは到着口から見えるところにありますが、その他の Vodafone や Aircel などの携帯電話会社は到着口を出て右に進むとカウンターがあります。
アクティベーションは SIM フリー機から行うべし
さて SIM 購入の次の日(正確には同じ日ですが)、 10 時を回ったのでアクティベーションしてみることにしました。最初は R-SIM 10+ を差した iPhone 5s で挑戦したのですが、全然電波をつかまず途方にくれました。結局義兄から借りた SIM フリー機でアクティベーションしました。アクティベーションは成功したものの、電話番号に電話をかけても、アナウンスが流れるだけで、電話ができないのです。困りました。
今度は夫の iPhone 6s ( au 版)に R-SIM 10+ をかませて SIM を載せ設定するとなんと電波をつかむではありませんか。夫の iPhone 6s は空港までの迎えの連絡を取るため通話のみローミングするように設定してあったのです。(設定の仕方は中部国際空港の au ショップで聞きました。)わたしの iPhone 5s でもローミングを ON にすると電波をつかみました。しかしアンテナピクトが立ちません。発信するとエラーが出ます。
Airtel での R-SIM 10+ の設定方法
設定の方法は日本国内での使い方とほぼ同じです。 Airtel の APN 構成プロファイルを iPhone にインストールします。パスワードなどは下記の通り。
- 名前: airtel (なんでもよい)
- APN : airtelgprs.com
- ユーザ名:なし
- パスワード:なし
これを Wi-Fi 環境から APN 構成プロファイル・ジェネレーターにて作成しインストールします。日本で MVNO を使っていて構成プロファイルがインストールしてある場合は削除します。
R-SIM 10+ に Airtel の SIM を載せ、「 JP Docomo 」→「 TMSI.2G3G4G 」→「 M2(iOS8-iOS9) 」を選択。他の設定も試してみましたが、これが一番安定するようです。
「設定」→「モバイルデータ通信」にて「モバイルデータ通信」をオン、「データローミング」をオンにしないとデータ通信できません。「 LET 回線を使用」については 4G の SIM だったのですが、デリー市内でも 4G 電波を掴んだことがなかったので、オンでもオフでもどちらでもよいと思います。またこの状態では料金残高案内 *123# に電話をかけるとエラーになります。
試行錯誤したのですが、音声通話はできず、結局友人宅にあった Nokia の携帯を借りることにしました。なのでインドでも通話専用機とデータ通信の iPhone 5s の 2 台持ちという体制になりました。夫の iPhone 6s は非常用に通話のみ au のローミングをする設定にしました。
R-SIM 10+ はデリーから出ると圏外
到着した翌々日、タージマハルを見にアーグラーにいったのですが、デリーを出たところで、 R-SIM 10+ でロック解除した iPhone 5s はネットワークが使えない趣旨のエラーが出ました。
Nokia の携帯の方にはローミングで値段が高くなる趣旨の SMS が届きました。どうやらインドは州ごとに携帯電話のネットワークが違うようで、契約した州を出るとローミングになるようです。 R-SIM 10+ で下駄を履かせた iPhone 5s はデリーですでにローミングでないと通信できななかったところ、さらにローミングとなり圏外になった模様です。友人から借りた Nokia の携帯があったから乗り切れましたが、 R-SIM だけではアウトでしたね。
R-SIM 10+ は圏外病が厄介
わたしは iPhone 4s で GPP の下駄を長らく使っていたのですが、全然不具合もなく快適だったので、圏外病って何? って感じだったのですが、 iPhone 5s にて R-SIM 10+ を使うと圏外病に悩まされました。デリーから出ると圏外病、建物で電波のつかみが悪いと圏外病、といった感じです。その都度、 R-SIM 10+ と格闘していたのですが、なんとなく復旧の仕方がわかってきました。
- SIM を Nokia 端末に差す。 *123# に電話し、料金照会するとより Good !
- R-SIM に Airtel ではない SIM を差し、 R-SIM を適当に設定。
- R-SIM に Airtel の SIM を差し再設定。
- 「設定」→「キャリア」にて「自動」をオフにして、「 IND Airtel 」を選択。
- これでもダメな場合は「設定」→「電話」→「 SIM 」より「 SIM Restart 」にて iPhone のアクティベーション画面を出す。 docomo SIM を入れアクティベーションさせたあと、 R-SIM を再度設定します。
- できなかったらくり返す。
Airtel のアプリを使ってみる
たまに奇跡的にアンテナピクトが立って通話が使えた時があったので、 Airtel のアプリをダウンロードして設定してみました。これ、通話が使えないと設定できないみたいですね。
こんな画面で、通話が Rs 100 、データ通信がたぶん 1 GB だったろうと予想できました。
最後の最後、帰国の飛行機に搭乗してから Airtel のアプリで通信料を確認しました。友達の家やホテルでは Wi-Fi が使えたし、デリーの外では通信できなかったので、データ通信は 1 GB も必要ありませんでした。 通話が減っているのは奇跡的に通話ができる状態の時、 1 度実家に国際電話をかけたからです。国内電話ではあまり電話代かかりませんが、国際電話がガツンと請求がきました。帰国直前、 Nokia の携帯を友達に返却後、夫の iPhone 6s に R-SIM 10+ を差し、出国までの間インディラ・ガンディー国際空港で使ってみましたが、とても 1 GB は使えなかったです。
帰国後のために事前にプロファイルをメールで送っておく
夫の iPhone 6s の場合、 SIM を入れ替え、 Airtel の APN プロファイルを削除すれば、 au のネットワークにすぐに繋がるのですが、わたしの iPhone 5s は格安 SIM を利用しているので APN プロファイルをインストールしなければ、ネットワークにつながりません。プロファイルは Safari かメールからしかインストールできません。空港で Wi-Fi が使えれば問題ないのですが、使えない場合、事前に APN プロファイルを自分宛てのメールに送信し、それを一度開いて iPhone にキャッシュさせる必要があります。こうすることで、帰国後、 SIM を差し替え、 Airtel の APN プロファイルを削除し、メールの添付ファイルより格安 SIM のプロファイルをインストールでき、スムーズに iPhone が使えるようになります。