明日から確定申告の受付がはじまります。平成 25 年度分の Mac での e-Tax の推奨環境は OS X 10.6 Snow Leopard 、 OS X 10.7 Lion 、 OS X 10.8 Mountain Lion で OS X 10.9 Mavericks は非推奨です。
→ Mac での e-Tax (平成 25 年度分)は Mountain Lion まで。 Mavericks は非推奨!(だけどできます。)
しかし e-Tax で推奨条件が発表された直後に、必要なソフト( Smart Card Services )の Mavericks 対応版が出たようなので、それを使って Mavericks で確定申告できるか挑戦してみることにしました。
お約束で書いておきますが、 Mavericks での e-Tax は国税局では非推奨ですので、何か問題が起きても自己責任でお願いします。
なおソフトのインストール等の手順は Lion 、 Mountain Lion でも同じです。
e-Tax できるように Mac にインストールするのは下記のソフトなどです。
- Smart Card Services
IC カードの中身を読み取る機能を Mac に追加する - Java for Mac OS X (Version 7 Update 51)
e-Tax の送信や住基カードを読み取るソフトを動かすのに必要 - 利用者クライアントソフト Ver 2
住民基本台帳カードの中身を読み込んだり、パスワードを変更するソフト( Java が必要。) - ルート証明書
e-Tax の送信元と受取先が正しいか確認するためのもの
目次
Smart Card Services のインストール
Smart Card Services をインストールすることで、 Mac で IC カードの中身を読み込む機能を追加します。
2015.2.25
上記の IC カードリーダーは生産終了になりました。下記のものが後継機のようです。
Mac OS X 10.6 Snow Leopard までは標準でサポートされていたのですが、 Mac OS 10.7 Lion 以降、 Apple での保守は中止されたので、標準では組み込まれなくなりました。 Apple が運営するオープンソースの Mac OS Forge に保守が移行されており、これの最新版が Mavericks に対応していないことが、 Mavericks が e-Tax の推奨環境から外されていた原因でした。しかし 2014 年 1 月 13 日に OS X Mavericks v10.9 対応版がリリースされました。なのでこれをインストールすれば、 Mountain Lion と同じように e-Tax できるはずです。
→ Mac OS Forge : SmartCard Services installers
対応 OS の Smart Card Services のインストーラーをダウンロードします。
「” Smart Card Services 2.0.1[OSX 10.9].pkg ” は、開発元が未確認のため開けません。」といわれた場合は、右クリックして「開く」を選択すると確認画面のあと開くことができます。
どの機能をインストールするか聞かれます。「 JPKI Tokend [5000]」がインストールされていれば、 e-Tax はできそうな気がしましが、デフォルトのままインストールしました。
2015.2.25
SCR3310-NTTCom で Yosemite の場合はカードリーダーのドライバをインストールするとデフォルトの IC カード読み取りの機能を削除してしまうので、メーカー提供のドライバはインストールしてはいけません。 SCR3310-NTTCom はドライバなしでも動作します。
Java for Mac OS X のインストール
e-Tax 関係は Java をインストールしないと動きません。 Oracle のページから Java の最新版 Java for Mac OS X (Version 7 Update 51) をダウンロードしてインストールしました。
ちなみに Java をインストールしないで「利用者クライアントソフト Ver 2 」をインストールしようとすると、以下のようなエラーがでます。
「 Oracle が提供している MacOSX 用の JRE がインストールされていません。 Oracle の Web サイトから MacOSX 用の JRE をインストールしてください。」
ちなみに JRE とは Java Runtime Environment のことで、 Java 言語で開発されたソフトウェアを実行するために必要なソフトウェアのセットのことです。通常 Java for Mac OS X をインストールすれば一緒にインストールされます。
「利用者クライアントソフト Ver 2 」のインストール
公的個人認証サービスを使うためのソフトです。要は住基カードの IC チップの中に入っている電子証明書を読み出したり書き込んだりするために必要なソフトです。具体的には、自分の証明書を見たり、パスワードを変更したりできるそうです。ダウンロードは下記から。 OS X Mavericks (10.9) の対応はうたわれていませんが、 Java で動くソフトなので問題ないと思われます。
→公的個人認証サービス:利用者クライアントソフトのダウンロード Macintosh をご利用の方
インストールが成功すると「アプリケーション / ユーティリティ / 公的個人認証サービス」の中に 4 つのソフトがインストールされます。
IC カードリーダーを Mac に接続して住民基本台帳カードを差し込み「 JPKI 利用者ソフト .app 」を起動し「自分の証明証」を見てみました。この時要求されるパスワードは住民基本台帳カードを発行したときに設定したパスワードです。
住民基本台帳カードの中身が読み込めているので、問題なく e-Tax できるはずです。
ちなみに IC カードリーダーは NTT コミュニケーションズ SCR3310-NTTCom を使いました。メーカー提供のドライバはまだ Mavericks に対応していませんが、ドライバをインストールしなくても IC カードリーダーが使えました。
「ルート証明書」のインストールについてはまた次回。
「ルート証明書」のインストール
最後に「ルート証明書」をインストールします。
「ルート証明書」とはなんぞや、って話になるんだけれど、簡単にいうと「ネット上の通行手形」みたいなもので、「配付されたプログラム、受付システムから送信されたデータ、納税証明書、接続先のサーバが正しいものであるかを確認するために使用され」るんだそうです。
e-Tax では以下の 2 つの認証局が発行した 4 つの通行手形が必要です。(去年まで 2 つでしたが、 4 つに増えたようです。)
- 政府共用認証局 ( 官職認証局 )
- 政府共用認証局 ( アプリケーション認証局 2)
Mac 用のルート証明書をダウンロードします。
→ e-Tax をご利用になる場合の準備等:ルート証明書のダウンロード
ダウンロードした「 KeyImport.dmg 」をクリックして、ディスクイメージをマウントします。
「アプリケーション / ユーティリティ」内の「キーチェーンアクセス .app 」を起動します。
サイドバーの「システム」を選択し、メニューバーから「ファイル」→「読み込み」を選択し、「 APCA2root.der 」を選択。
「常に信頼」をクリックします。
パスワードの入力を求める画面が現れますが、この時のパスワードは Mac の管理者のパスワードです。
以上を「 OSCAroot.der 」「 APCAroot.der 」「 APCA2sub.der 」についてもくり返します。
キーチェーンアクセス .app のサイドバーのシステムを選んで、「 ApplicationCA 」「 ApplicationCA2 Root 」「 ApplicationCA2 Sub 」「 OfficialStatusCA 」の 4 つの証明書が登録されているかきちんと登録されているか確かめます。
わたしの環境ではキーチェーン .app のサイドバーに「システム」という項目の代わりに「 SystemCACertificates 」という項目がありました。「ルート証明書」のインストールを強引に進めていると下記のようなエラーが出てしまいました。
「エラーが起きました。” ApplicationCA2 Root ” を読み込めません。エラー : 100013 」
試行錯誤の結果、 Mac を再起動したらキーチェーン .app のサイドバーに「システム」が現れたので無事にインストールすることができました。
ちなみに e-Tax したことある Mac OS X 10.6 Snow Leopard から移行アシスタントを使ってデータを移行したので、昨年インストールした「ルート証明書」がキーチェーン .app に登録されていました。エラーで再起動する前に「 OfficialStatusCA 」と「 ApplicationCA 」をキーチェーン .app から削除しました。うまくいかない場合はこのあたりも参考になるかもしれません。
2014.2.28
実際に e-Tax してはまった部分のレポートを書きました。よかったら参考にしてください。
→ Mac OS X 10.9 Mavericks で e-Tax にて確定申告してつまずいたところ
2014.2.24
2014 年 2 月 23 日の iOS 6 と iOS 7 のアップデートがあり、 iOS 7 と iOS 6 、そして OS X Mavericks (Mac OS X 10.9) に、 SSL 接続の重大な脆弱性があることがわかりました。 Mavericks で e-Tax はできますが、通信が傍受されたり改ざんされたりする可能性があるので、セキュリティアップデートがリリースされるまで、 e-Tax はもちろん「確定申告書等作成コーナー」での申告書作成もしないほうがいいです。
→ Mac OS X 10.9 Mavericks の Safari で確定申告の作業はしてはいけない
2014.2.26
Apple から「 OS X Mavericks アップデート v10.9.2 」がリリースされました。 10.9.0 と 10.9.1 の SSL 接続の脆弱性はこのアップデートをあてることで解決します。 Mavericks で e-Tax する際は必ず OS を 10.9.2 へアップデートしてください。
→ OS X Mavericks アップデート v10.9.2 で SSL 接続の脆弱性を修正