現在無料放送している FOX bs238 で「ザ・カリスマ ドッグトレーナー ~犬の気持ち、わかります~」という番組を放送しています。(現在はシーズン 2 を放送中。)メキシコ出身のアメリカのカリスマドックトレーナー、シーザー・ミランがダメ犬たちをすばらしい犬に変えてしまう、まるでマジックみたいな番組です。
実はうちにもダメ犬が 1 匹います。今年で 10 歳になるオス犬です。義父と義母が番犬として飼っているのだけれど、この犬がかなりのダメ犬なのです。(飼い始めたのはダンナやわたしがここに住む前です。)
目次
ダメ犬の不安分離症
一番の問題行動は義父・義母共に留守のときに吠え続けること。 3 年前に台風が直撃した後からこの問題行動が出始めました。(伊勢湾台風並みだといっていろいろと備えにうるさかったのに、犬は外に出したままで安定剤すら飲ませなかったのです。)
困ったことに当然義父と義母はこの鳴き声を聞いたことがないから、問題に気づかないし、いったところで「くひ〜ん」と鳴いてるくらいだとしか思ってないのです。しかし実際は滑稽で番犬として飼っているのに留守を近所中に知らしめるくらいの大きな鳴き声なのです。近所迷惑すぎる。
調べてみるとこのダメ犬の状態は不安分離症というらしいです。飼い主が出かけたり出かけるそぶりを見せるとおかしくなる状態のことをいうようです。まあの台風の中の檻の屋根のトタンが外れかけてて一晩中バタバタと音を立ててて、鳴いても誰も助けにきてくれなかったから、そうなってもある意味当たり前だと思うけれど。
とにかくエサをやるときに檻から出して走らせるだけの義父の飼い方ではダメだと、 2 年ほど前にダンナたわたしで散歩に連れ出したのですがこれがまた大変でした。お散歩のできないダメ犬の典型みたいな感じ。引っ張る、落ち着きがない、他の犬に飛びかかる、車を恐がる。それでも最初は散歩が楽しかったようで、散歩に出かけていたのだけれど、ある日突然散歩を嫌がるようになったのです。小さい頃にいろいろな体験をしていないから普段とちょっとでも違うことがあると怖がっておかしくなるのです。暴れるから落ち着かせようとお座りさせると、投げやりにお手をしてきたり、鼻でくひ〜んと鳴いてみたり。そして散歩に出ても家の前の道を曲がるのを全力拒否。根負けしてそれ以来こちらもやる気をなくして散歩にいかなくなってしまったのです。
シーザー・ミランとの出会い
しかし今年の 1 月半ばにたまたま BS FOX で「ザ・カリスマ ドッグトレーナー ~犬の気持ち、わかります~」という番組を見ました。ダメ犬たちを見事に更生させていくシーザー・ミランに心奪われ、うちのダメ犬を普通の犬にするヒントがあるかもしれない、とそれ以来番組を録画して見るようになりました。義父と義母の留守中のうちのダメ犬の騒音がなくなるかもと。
不思議なことに番組に登場するどの犬を見てもうちのダメ犬に見えるのです。シーザー・ミランによると犬の問題行動の原因は飼い主にあって、飼い主が犬に必要なものを与え、適切な行動を取れば問題行動はなくなるとのこと。そして犬は過去ではなく今に生きていると。台風がきっかけで問題行動を起こすようになったけれど、原因はわたしたち飼い主が犬の必要を満たしてやれてなかっただけなのです。
シーザー・ミランの番組を見ていてわかったのは下記のこと。
- 散歩は犬には絶対に必要なもの。
- 運動させて疲れさせてからリハビリ(飼い主の訓練。犬が抵抗する力を失ってるのでいうことを聞きやすい。)
- 飼い主がリーダーシップを取る(犬の思い通りにはさせない。)
- 犬が興奮している時は名前を呼んだり、かわいがったりしない。
- 犬が興奮する前にタッチしたり、シッといったりして注意を逸らす。
- 「ルール」「境界」「制限」を設けて、それを家族で共有し、犬に絶対に守らせること。
- 家族が犬に対して同じ態度で接すること。
今まで見た中で一番参考になったのは、 1 シーズンの 12 話のビーグルの回。うちのダメ犬も狩猟犬の血が半分入っているから行動が似ていたのです。特によく地面を嗅ぎまわるところ。これは狩猟犬なのである意味正常な行動だったのです。そして狩猟犬はアクティブな犬種だから運動させないとストレスが溜まって問題行動が起きやすいらしいです。今まで隣につかせて散歩させることにこだわってきたけれど、うちの犬がすごい力で引っ張るのは運動が足りてないからだと気づきました。それから散歩中にランニングするようになってから随分と落ち着きはじめ、今ではなんとか散歩っぽくなってきています。
それから飼い主の意志を伝えやすくするために、チョークチェーン(引っ張ると首がしまる鎖)を購入しました。チョークチェーンは犬を苦しめるものでも、チョークチェーンは引っ張りグセがある犬が苦しいから引っ張るのをやめさせるためでもなく、犬の一番弱い部分であるノドあたりを一瞬刺激することで、興奮してしまっている犬を我に返らせる役目があるみたいです。まあシーザーがやってるのをみてほしくなったのですが。うちのダメ犬はだいぶ力は弱くなってきたけれど引っ張るから、首の筋肉が F1 ドライバー並みに太くなってきました。
シーザー・ミラン教に入信して 2 ヶ月半
シーザーを思い描いて散歩をし始めて 2 ヶ月半、義父・義母の留守でもダメ犬が吠えることはほぼなくなりました。たまに鳴くけれど、窓を叩いて注意すれば鳴き止みます。すばらしい変化! 感動の一言です。毎日 2 時間くらい散歩に費やすしているけれど、あのうるささに比べればずいぶんと楽です。(しかもこっちも運動になるし。)
しかし、義父は今までの自分の飼い方を責められていると感じているのか、あまり協力的ではありません。(特にわたしたちがここに住んでいなかったときにどのような飼い方をしていたか、という部分で嘘をつきます。)なので、現在はうちのダメ犬に対して無視をするように頼んであります。無視とは「触らない」「目を見ない」「話かけない」のこと。(つまり犬をかわいがってはいけない。)
ダメ犬が吠えるといってから、出かける前に犬用のガムを与えていくようになったみたいなのですが、その効果は 30 分しかもたないし、ガムを与えた日はダメ犬が元のダメ犬に戻っているのです。前の日まで結構いい子に散歩してても、ガムを与えたらしき日は元のやりたい放題の犬になってしまいます。与え方が悪いのか、与えるタイミングが悪いのか。たぶんその両方だし、ご褒美であるガムを与えて気をそらそうとするのがまず間違えなんだけれども。
番組の冒頭の「犬にはリハビリを、飼い主には訓練を、それが僕のやり方です。」とはよくいったもので、とにかく、ダメ犬を矯正するより、飼い主を矯正する方がだいぶ難しいです。それをやってのけるシーザーはすごい。っていうかうちにも来てくれ!