時々 Mac mini 2018 が触れなくなるくらい熱くなるので、熱対策としてヒートシンクとファンを載せてみて、内部温度がどのように変化するか測定してみました。今年 8 月の話です。
目次
Mac mini 2018 の熱対策をしようと思った動機
未だに Intel の CPU を使った Mac mini 2018 を使っておりその熱さが気になっていました。
一応 Mac mini は底から吸気し背面から排気しているので、セリアの「ステンレス万能トレイ用アミ」を敷いて底を浮かせ空気が入りやすくし、ホコリの吸い込みも軽減しています。
調べてみるとどうやらヒートシンクやファンを使うと Mac mini を冷却できるようなので去年の年末のブラックフライデーセールで購入しました。
→ Dhiiwai.com : Mac mini の熱対策を後回しにした結果…
→ app1st.com : Mac Mini の熱対策
購入したヒートシンクとサーマルパッドとファン
ヒートシンクのサイズは 1 つが 150 × 93 × 15 mm で 2 つ並べるとほぼ Mac mini の幅になります。
サーマルパッドはヒートシンクと Mac mini 本体の熱伝導をよくするためと Mac mini 本体の保護のために購入しました。
USB 接続で動く 14 cm の大口径のファンは静音タイプで風量が 2 段階調節できます。ファンは大きいほうがうるさくありません。
ヒートシンクとファンの効果を測定
Macs Fan Control で Mac に内蔵されている各種温度センサーの温度が見られるのでインストールしてみました。
ノーマル Mac mini 2018
スリープから復帰後すぐの内部温度は以下です。真夏でエアコンをつけて室温 27 ℃程度です。
CPU Core (average) | 47 ℃ |
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CPU Proximity | 43 ℃ |
ファン回転数 | 1692 rmp |
負荷をかけるため動画をエンコードしてみました。
CPU Core (average) | 79 ℃ |
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CPU Proximity | 62 ℃ |
ファン回転数 | 2994 rmp |
ヒートシンクのみ装着した Mac mini 2018
サーマルパッドをヒートシンクにつけました。
それを Mac mini 2018 に載せて見ました。
同じように動画をエンコードしました。
CPU Core (average) | 86 ℃ |
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CPU Proximity | 64 ℃ |
ファン回転数 | 2786 rmp |
ファンの回転数が下がったものの内部の温度は上がっています。ヒートシンクに意味があるのか疑問です。
ヒートシンクにファンをを載せた Mac mini 2018
ヒートシンクの上にファンを載せてみました。
同じように動画をエンコードしました。
CPU Core (average) | 84 ℃ |
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CPU Proximity | 62 ℃ |
ファン回転数 | 2690 rmp |
またファンの回転数は下がったものの、内部温度は少し下がっただけです。
ヒートシンクとファンを取りつけても、システムが内部ファンを自動制御している限り CPU 等の温度は下がらないようです。
Macs Fan Control にて内蔵ファンをコントロール
ということで Macs Fan Control にて CPU Proximity の温度を見て内蔵ファンを回すようにしました。
ヒートシンクとファンつき
何も作業をしていないとき。
CPU Core (average) | 45 ℃ |
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CPU Proximity | 40 ℃ |
ファン回転数 | 1955 rmp |
動画をエンコードしてるとき。
CPU Core (average) | 69 ℃ |
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CPU Proximity | 51 ℃ |
ファン回転数 | 4383 rmp |
ファンの回転数が上がりかなり CPU 周りの温度が低くなりました。内蔵ファンが回らないと内部の温度は下がらないようです。
ヒートシンクとファンなし
しかしここで疑問が湧きます。ヒートシンクとファンを載せなくてもただ内蔵ファンを回転させればよいのではないかということです。その状態で動画をエンコードしてみました。
CPU Core (average) | 70 ℃ |
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CPU Proximity | 54 ℃ |
ファン回転数 | 4400 rmp |
結果は回転数が上限になり温度も少し上がりましたが誤差の範囲です。これ以上負荷をかけると内部温度が上昇していくでしょう。
結論としては動画のエンコード程度ではヒートシンクとファンを追加するより、 Macs Fan Control で内部ファンをより回す方向にしたほうが安上がりで効果があります。
ヒートシンクとファンを載せたメリット
ヒートシンクとファンを載せたことの利点があるとすれば、本体が熱くなったときにその作業が終わるとすぐに冷えることです。
あと軽い作業をしているときの CPU 周りの温度が下がりました。
CPU Core (average) | 57 ℃ |
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CPU Proximity | 39 ℃ |
ファン回転数 | 1837 rmp |
音楽聴きながらテキストを打って CPU Proximity が 39 ℃程度で安定したので、「ファン速度が増加を始める温度」を 40 ℃としました。
CPU Core (average) | 43 ℃ |
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CPU Proximity | 39 ℃ |
ファン回転数 | 1693 rmp |
内蔵ファンが最低速度で回っていてノーマルの状態のスリープ復帰直後より CPU 周りの温度が低いのはいいかもしれません。
ちなみに載せたファンを停止してみました。
CPU Core (average) | 59 ℃ |
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CPU Proximity | 40 ℃ |
ファン回転数 | 1702 rmp |
CPU 周りの温度が上がりました。
内蔵ファンの回転数が少ないので「ファン速度が増加を始める温度」を 38 ℃にしてみました。
CPU Core (average) | 44 ℃ |
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CPU Proximity | 41 ℃ |
ファン回転数 | 1936 rmp |
内蔵ファンを回すか載せたファンを回すかは好みの問題のような気がします。
ちなみに裏蓋を開けて底からファンを当てるのが一番効率よく冷えるらしいです。
→ DTP life : Mac mini と Mac Studio の熱対策の決定版!
→電脳 - 煩悩: Mac mini 2018 の温度を本気で下げる その1
裏蓋を開けないで底からファンを当ててみたら以下のようになりました。
CPU Core (average) | 47 ℃ |
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CPU Proximity | 41 ℃ |
ファン回転数 | 1823 rmp |
スリープ復帰直後の CPU 周りの温度
ファンを再び上部に設置しスリープ。
CPU Core (average) | 52 ℃ |
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CPU Proximity | 34 ℃ |
ファン回転数 | 1722 rmp |
ファンを止めてヒートシンクのみ。
CPU Core (average) | 48 ℃ |
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CPU Proximity | 33 ℃ |
ファン回転数 | 1698 rmp |
ファンを回しても回さなくても同じなのでスリープ時はファンを切った方が節電になるようです。
ヒートシンクと上に載せたファンは、内部ファンが上限の回転数になったときに内部温度を下げるのに役に立つようです。でも普段はそこまで重い作業をしないので、 Macs Fan Control でファンの回転数を調整するだけでもいいかもしれません。