宅内 LAN を 2.5 GbE 化しました。理由は SwitchBot のプラグミニが増えすぎて Wi-Fi ルーターが不安定になったことと、安定的に NAS への接続スピードを上げるためです。今年 9 月のことの備忘録です。
目次
宅内 LAN を 2.5 GbE 化しようと思った動機
今から 10 年前の 2013 年に宅内 LAN をギガビットイーサネット化したようです。
ギガビット時代は長く続いたんですね。次世代の規格として 10 GbE がありますが、まだ対応機器が 10 万単位もするので LAN の速度を速くするのは諦めていました。しかし困り事がいくつか起きたのでその解決策として宅内 LAN を 2.5 GbE 化することにしました。
SwitchBot のプラグミニが Wi-Fi につながらない
調子に乗って SwitchBot のプラグミニをたくさん買っていろいろな機器に使っていたら、どうやらルーターの Wi-Fi の接続台数の上限を突破したようで接続が不安定になりました。
こんなふうに青く点滅します。初めは 1 つだけつながらなかったのが日に日に繋がらない台数が増えてきて困ってしました。ルーターの型番( AtermWR9500N )で調べてみると 有線、無線合わせて 32 台までとのことです。とっくの昔に制限を超えていますね。それは不安定になるわ。
→ NEC : IEEE802.11n 無線 LAN
NAS に 2.5 GbE で直結すると速くなるが挙動が少しおかしい
というわけで新しい業務用のルーター NEC IX2215 の中古を購入して設定しないまま放置していました。しかし NAS に 2.5 GbE でつなぐと転送速度が速くなることに気がついて、 Mac mini 2018 と LAN ケーブルで直結で繋いでいました。
しかしいくつか問題があり、長くスリープした際に接続を見失い、開いていたフォルダーが最上位階層に戻ってしまいます。また VMware FUSION 上の Windows 10 からブリッジで NAS にアクセスするととても不安定になります。そしてファイルのコピーを複数行うとなぜかアンマウントされてしまいます。ということでスピードはでますが直結では挙動がちょいちょういおかしのです。
2.5 GbE 対応のルーターとスイッチングハブを購入
ということでルーターへの接続台数の増加と 2.5 GbE の速さを求めて、別途 2.5 GbE のルーターを購入することにしました。
Wi-Fi ルーター ASUS TUF-AX6000
ASUS TUF-AX6000 を選び Amazon のアウトレットで購入しました。接続台数は 70 台とそれなりに多く、夫が寝室で Wi-Fi が切れるというので外部アンテナがある電波が強そうなものにしました。 SSID が複数設定できるので、 SwitchBot や ネットワークカメラはそちらに接続し、宅内の LAN とはネットワークを別にすることにしました。
ちなみにこの Wi-Fi ルーターのクイックガイドのできが悪く、初期設定で Wi-Fi 経由で管理画面につなぐのですが、その際にパスワードを求められるにも関わらずそれがどこに書いてあるのか記載がないのです。いろいろ試行錯誤した結果、本体裏側のシールにある PIN Code を入力したらログインできました。 Amazon でアウトレット品が多い理由はたぶんこの初期のパスワードがわからず設定できない人が多いからだと思います。そして Amazon のアウトレット品はすり替えなどの事案も多いようなので自衛のため動画を撮りながら開封しました。
PLANEX の 2.5 GeE 対応スイッチングハブ
宅内 LAN の枝葉は 1 GbE のスイッチングハブのままで問題ないですが、 NAS と Mac をつなげる基幹部分のスイッチングハブは 2.5 GbE 対応のものを購入しました。
PLANEX の 5 ポートと 8 ポートのものです。本当は堅牢な NETGEAR のものがよかったのですが、 10 GbE 対応のものしかラインナップになく値段が高くなりすぎるのでこれで妥協しました。
5 ポートのものは Amazon でクーポンが出ているときに購入し、 8 ポートのものは OCN オンラインストア(旧 NTT-x Store )で 3000 円クーポンが出ているときに購入しました。
WAVLINK USB-C 2.5 G 有線 LAN アダプター
夫の MacBook Pro につける 2.5 GbE の LAN アダプターも購入しました。わたしが以前購入したものと同じ WAVLINK の USB-C 2.5G 有線 LAN アダプターで、 Amazon のタイムセール祭りで安くなっていました。
元のルーターの設定を控えて、ちまちまと設定して、 Wi-Fi につながっている機器の SSID とパスワードをすべて変更しました。
パケットフィルター機能が貧弱なため二重ルーターにする
しかしここで問題が発生したしました。サポートが切れている OS があるのでパケットフィルターでインターネットからのアクセスを遮断していたのですが、新しいルーターにはホワイトリストとブラックリストしかなく、細かい設定ができないのです。これは困りました。
違うルーターを購入しようかと思いましたが、 10 GbB 2 ポートのものになってしまい、接続台数が有線と無線合わせて 100 台でした。ちょっと余裕がなさすぎる上にお値段がするのでどうしようか夫に相談すると、二重ルーターにしてパケットフィルタリングだけ既存のルーターにやらせたらいいのではないかといわれました。
内側のルーターの IP アドレスを外側のルーターが知る由もないんじゃないかと思ったら、なんとちゃんと設定すると二重ルーターでもきちんと動くようです。以下のブログを参考にしました。
→ 電子脳民のブログ:ひかり電話も二重ルーターで使う – 自宅ルーターのルーティング設定
簡単に書くと、外側のルーターで「 LAN 側静的ルーティング設定」を行い、内側のルーターで「アドレス変換機能 (NAT) 」をオフにします。
さらに半日かけてルーターの設定を試行錯誤してなんとか二重ルーターがうまく動作するようになり、パケットフィルターもきちんと動作しました。 SwitchBot 等をつなぐ Wi-Fi の SSID を既存ネットワークとはサブネットマスクで区切ったので、その IP アドレス群にも「 LAN 側静的ルーティング設定」が必要でした。
NAS のスピードテスト
直結していた NAS へのアクセスをルーター経由に戻し、ジャンボフレームを設定しました。
NAS との接続はスピードテストをしたところ、直結より大きいファイルの速度は少し遅くなりましたがランダムアクセスが少し速くなりました。
ジャンボフレームを有効にしても夫の MacBook Pro からの接続は 299.67 MB/s と速度が少し低いです。多分わたしの Mac mini 2018 は NAS とスイッチングハブを挟み、 5 m の Cat6a と 0.5 m の Cat6 の LAN ケーブルでつながっているのに対し、夫の MacBook Pro は間にあるスイッチングハブが 2 台もあり、しかもそれらが 15 m と 5 m の Cat5e の LAN ケーブルで接続されているからだと思います。規格上は 2.5 GbE は Cat5e でも OK なはずですが、ケーブルが長いと多少接続速度が落ちるようです。
またネット回線は遅いのでネットの接続は変わりませんが、 Wi-Fi 接続が速くなり iPhone で 800 Mbps 出るようになりました。
ジャンボフレーム使用時にパケットがロスする
しかし使っているうちに不具合が起きました。デジカメの写真を読み込み NAS に保存したら、写真に横シマが入るのです。初めはキャッシュが悪いのかとソフトウェアのキャッシュを削除したり、 NAS の SSD キャッシュを削除したり再起動したりしたのですが状況は変わりません。読み込んだデータそのものが壊れていたのです。ルーターが悪いのかとルーターの再起動をしたり、スイッチングハブの電源を挿し抜きしたりしたのですが変わりません。
結局悪さをしていたのはジャンボフレームでした。なので一度読み込んだ写真データを削除し、 Mac と NAS とルーターのジャンボフレームの設定をオフ( 1500 )にしたら写真の読み込みに問題が起きることはなくなりました。 Mac も NAS もルーターもスイッチングハブもジャンボフレーム対応なのにおかしなことが起こるものです。もしかしたら二重ルーターにしている外側のルーターがジャンボフレーム対応でないのがいけないのかもしれません。
ジャンボフレームを無効にすると Read が 281.11 MB/s と少し遅くなりますがデータが欠損しては元も子もないのでこれで使っています。