iPhone SE 2020 ( 第 2 世代 ) のバッテリーが 83 % になったので、 DIY でバッテリーを交換しました。しかし 1 回目の交換ではバッテリーの初期不良にあたり合計 3 回も分解することになりました。今年 5 月から 6 月にかけての話です。
目次
iPhone SE 2020 ( 第 2 世代 ) のバッテリーの現状
coconutBattery と設定のバッテリーの状態を見てみると以下のようです。
現在は SwitchBot のプラグミニを使って 85 % まで充電して使っていますが、それでは充電が持たないので 1 日 2 回充電しているのが現状です。
iPhone SE 2020 ( 第 2 世代 ) の交換用バッテリーの選定
交換用バッテリーは元からついていたものより容量の大きなものも魅力的でしたが、 iPhone SE 第 1 世代のバッテリー交換に使って特に問題もなかった iFactory のものにしました。
工具は夫が iPhone 6s のバッテリー交換で工具つきを購入していたのでバッテリーと固定テープと防水シールのセットにしました。
iPhone SE 2020 ( 第 2 世代 ) のバッテリー交換に使う道具
使った道具は iPhone オープナー とピンセット、ドライバー各種 4 本、ドライヤー、磁気のプリペイドカード。このほか立てかける箱があると便利です。
iPhone SE 2020 ( 第 2 世代 ) のバッテリー交換に参考にした動画やサイト
→ iFixit : iPhone SE 2020 バッテリーの交換
バッテリー固定シールが取れなかった場合のリカバリー方法が載っています。
iPhone SE 2020 ( 第 2 世代 ) のバッテリー交換の手順
バッテリーを使う
バッテリーを満充電から重い作業をさせ 20 % 程度まで使い切ります。
電源を切る
iPhone の電源を切り、 Lightning ケーブルの穴のホコリを取りスピーカーにも細かいホコリが詰まっていたのでやわらかい歯ブラシで掃除しました。
Lightning コネクタ脇にネジを外す
Lightning ケーブル脇のネジを星型ドライバーで外します。外したネジはなくならないように製氷トレーに入れて管理しています。
オープナーで iPhone をはさみフロントパネルを開ける
ドライヤーで iPhone の周りを温め、オープナーで iPhone SE 2020 ( 第 2 世代 ) を挟みゆっくり力をかけます。
少し隙間が空いたらピックをはさみ音量ボタン側をスライドさせ、反対側も同じようにしますが、こちらはケーブルがあるので差し込みすぎないように注意します。上側はツメがあるので真ん中にピックを入れ前面パネルを下にずらして電源ボタン側を軸に iPhone の前面パネルを開きます。
ケーブル類を外し前面パネルを分離する
液晶やバッテリーへの接続コネクタを保護しているプレートのネジを外します。
ロジックボードとバッテリー・ Wi-Fi アンテナを接続している 2 つのコネクタを外します。
インカメラやセンターの一体部品に接続しているケーブルを外します。まず保護しているプレートのネジを 3 つ外します。
接続コネクタをヘラなどで外します。
これで前面パネルと本体が分離できました。
Wi-Fi アンテナと TAPTIC ENGINE を外す
次に Wi-Fi アンテナを固定しているプレートのネジを外しプレートを取り外します。上のネジは Y 時の特殊ネジなので注意します。
スピーカーとアンテナケーブルの間にピックを差し込みアンテナケーブルをはがします。
Wi-Fi アンテナが外れました。
Wi-Fi アンテナケーブルのコネクタを外します。基板でなくコネクタケーブルにコネクタケーブルがついているので、間にヘラを潜り込ませてコネクタを外します。
TAPTIC ENGINE を固定しているネジを外します。右側は特殊ネジですが、精密のマイナスドライバーで開けられます。左側にはブラケットもあるのでそれも取り外します。
TAPTIC ENGINE 接続コネクタを外します。 Wi-Fi アンテナコネクタの下にあります。
バッテリー固定シールを引っ張って取る
バッテリーのテープを引っ張りバッテリーを取り外します。バッテリーについている黒いテープを外しなるべく水平に引っ張ります。そのとき引っ張りからテープの根本に持ち替えるようにするとテープが切れにくいです。
上側も同じように行いますが、テープが切れてしまいました。
白い部分も残っていなかったのでリカバリとして、無水アルコールをバッテリーと本体の隙間に垂らし 2 分ほど放置したあと、薄い磁気のプリペイドカードを下から差し込みバッテリーをはがしました。このとき垂らすアルコールはスポイトを使った方がいいです。
バッテリーが外れました。残っている固定シールも取り除きます。
防水シールを取り除く
縁についた防水シールをプラスチックヘラで丹念にはがしていきます。
新しいバッテリーに交換し逆順に組み立てる
左が純正バッテリーで、右が交換用に用意した iFactory のバッテリー。
バッテリーをはがすときにアルコールを使いそれを拭き取ったらカーボンと思わしき塗装が取れて少し傷がついてしまいました。
バッテリーにシールをつけます。青い剥離シートをはがしバッテリーを載せます。また青い剥離シートを
はがしバッテリーに貼りつけます。
バッテリーの赤の剥離シートをはがし、バッテリーを左手で浮かせた状態でバッテリーコネクタを一度接続します。その後バッテリーをそっと落としバッテリーを押さえて固定します。再度バッテリーコネクタを外します。この手順で取りつけないと iFactory の保証が受けられないので注意してください。
あとは逆順で組み立てていけば OK です。ですが、前面パネルを取りつける前に防水シールを貼るのを忘れずに。
前面パネルを閉じる前に動作確認した
蓋を完全に閉める前にピックを挟んだまま動作を行いました。無事に電源が入ったら、以下の項目を確認します。
- TouchID が正常に動作するか
- フロントカメラが正常に使えるか
- 電話をかけて相手の声が聴こえるか
- カメラがきちんと動作するか
すべて OK なら取り外したコネクタがきちんとつながっています。
しかしカメラアプリを起動したら、もやがかかった状態になっていました。これは完全にバッテリーテープをはがす際に垂らしたアルコールが多すぎてそれがカメラユニット内にも入り込んだのでしょう。というわけで、電源を切って前面パネルを閉じないまま 3 時間ほど放置しアルコールを蒸発させました。
純正でないのでバッテリー警告が出る
純正バッテリーではないので警告が出ます。設定アプリの右上にも件数が表示されますがそれは 1 か月ほどで消えました。
バッテリーの初期不良に遭遇
coconutBattery でバッテリーの状態を確認したところ、バッテリー交換直後は 21.4 % で、満充電したら、 Full Charge Capacity は 1933 mAh と初期より少し大きくなりました。
販売ページにはバッテリーの性能を十分に発揮させるように、満充電と放電を数回繰り返すように書かれていたのでバッテリーのリフレッシュを 3 回行いました。しかしです、前述の通り明け方 85 % まで充電できたら充電がストップするようになっているのですが、朝の 4 時に充電を開始しすぐに 85 % まで充電されてそのままの状態が続くと朝起きたときは 75 % まで充電が減っています。 Apple 純正の 5V 1A の充電器を使っているのに満充電までの時間が短すぎるのです。そして息子のお迎えにいって帰りに公園に寄ってポケモン GO を少しやって 1 時間ほどで帰宅したら 50 % も充電が減っています。明らかに 85 % までヘタった純正バッテリーを 85 % 運用していた頃の方が持ちがいいのです。
まだバッテリーが活性化していないのかと以下のサイトを参考にバッテリーリフレッシュ( 100 % から 0 % まで使い切るの)をさらに 3 回行いました。
→ライフハッカー・ジャパン:電池が長持ちする? iPhone のバッテリーをキャリブレーションする方法
このときにワットチェッカーを使うと便利です。 iPhone 本体の表示が 100 % でも充電してることがあるので、ワットチェッカーの値が 0.0 W になってから充電ケーブルを引き抜きます。
そして coconutBattery でバッテリーの様子を見てみると Cycle Count が 3 でした。 100 % から 0 % まで使い切るのを合計 6 回やったのに Cycle Count は 3 回です。
ここから導き出される答えはたぶんバッテリーのセルが 2 つ入っていて片方が死んだ状態でチップを取りつけたためそれを満充電とチップは認識していますが、 Cycle Count は Design capacity に対してどれくらいの電力を使ったかを見ているので、バッテリーの容量が半分なら 6 回満充電と放電を繰り返して 3 回というのも辻褄が合います。
そして純正バッテリーが 85 % まで劣化していたのを 85 % 充電で使っていたので、 0.85 × 0.85 = 72.25 % なので、交換後のバッテリーが半分死んでいたならそれよりも早く充電が減るのも納得できます。
10 日くらい使っていましたが、 1 日 2 回満充電しないと持ちません。交換前のバッテリーの方が明らかに持ちがよかったです。購入してから取りつけまでだいぶ時間が経ってしまいましたが、 1 年保証があるので iFactory に連絡しました。コネクタの接続を確認するようにいわれました。具体的にはコネクタを基板に接続してから電池を取りつけるようにとのことでした。わたしはその手順で行っていたので、そう返信すると返金対応してくださいました。新しいのは他のメーカーのバッテリーにしようかとも思ったのですが、きちんと対応してくださったのでまた iFactory のバッテリーを購入しました。
再度バッテリー交換
バッテリー交換を再度行いました。バッケージのフォントが微妙に違うのでロットが違うようです。またバッテリーの不具合にあたったりコネクタ類の接続の不備に合うといやなので、防水シールは貼らずに蓋を閉じました。バッテリーに問題がなかったら再度分解し防水シールを貼るつもりです。
バッテリーを再交換後、満充電したところ Full Charge Capacity は 1872 mAh でした。満充電から 0 % まで使うのを 2 回繰り返したところ Cycle Count は きちんと 2 回になりました。
合計 3 回ほどバッテリーのリフレッシュをしたのですが、またあまりバッテリーの持ちがよくありませんでした。またハズレのバッテリーだったのかなと思ったのですが、 5 日目くらいからバッテリーが活性化されたのか電池の持ちが明らかによくなりました。ということで再度分解して防水シールを貼りました。ピークパフォーマンスが働かないのでバッテリーが少なくなってからの減りが早いように感じますがそのほかは概ね良好です。でも今度新しい iPhone を手に入れたらバッテリーは純正バッテリーに交換してもらった方がいいかなと思っています。