電池が切れて転がっている腕時計が家にいくつかあったので、電池交換に挑戦してしてみました。外出の回数が激減したからすぐに必要なわけではないけれど、放置しておくと液漏れしてムーブメントがいかれてしまいそうなので。そうなってからでは遅い!
目次
腕時計メンテナンス工具の購入
まずは腕時計の電池交換用の工具を購入しないといけません。 amazon のマーケットプレイスで 2000 円程度のセットが売っているけれど、レビューを見てみると総じて中国製だから「作りが甘いが使えるには使える」という感じ。そしてセットの内容を見てみると、点数は多いのだけれど実際の作業を考えると何かが足りないのです。例えばピン抜きポンチはあるけどハンマーがないとか、スクリューオープナーはあるけれど固定台がないとか。いろいろなセットを見てみたけれど、何かが 1 つ 2 つ足りない。そしてスクリューオープナーなど作りが甘く使えなかった場合、他のものを改めて購入する必要が生じる可能性あるなら、ほとんどの工具が日本製のジャパンホビーツールの木箱入り時計修理工具セットを 4200 円で購入したほうがいいんじゃないかという結論に達しました。 1800 円くらいの中国製の修理セットにハンマーと固定台を別に購入したらこれくらいの値段になってしまうし。
届いた工具がこちら。木箱入り。簡単な説明書もついてきた。
セット内容は以下のよう。
- ミニハンマー:真鍮製のミニハンマー ( 国産)。小さいながら力が入るのが特徴です。
- バネ棒はずし:時計本体とバンド接合部にあるバネ棒のはめ外し用工具です。丸棒型の先端で接合部の穴を押し込むとピンが外れます。はめ込みは爪型の先端でバネを押さえながら行います。
- ナイフタイプこじあけ:婦人用時計などのネジ込み式ではない裏蓋を開ける工具です。
- ピン抜きポンチ:バンドのピンを外す工具です。(国産)後部を時計用ハンマーで叩いて使用します。
- カニ型オープナー:時計の裏蓋を開ける工具です(国産)。時計の裏蓋のくぼみ( 6 箇所あるものが多い)の 2 箇所に(真ん中のネジにて幅を調整し)合わせゆっくりまわして使用します。
(最大幅 23 mmまで)全長 70 ミリ、調整幅は 14 ミリ~ 37 ミリまでです。 - 時計用ミニホルダー:時計本体とバンドが保持できる万能ホルダー工具です。時計本体の保持は上部の4つのピンを穴の開いた任意の場所に移動して保持するので、様々な形状の時計に対応できます。ピンはプラスチックですので時計を傷つけず作業が可能です。バンド保持はホルダーの内側 = プラスチック板部分(テープ留めですので不必要な場合は取り外しが可能です)に挟みます。
箱ありは現在売っていないようです。
ハンマーはついていませんがこのあたりでも十分そうです。
電池も事前に調べて適合するものを Amazon のマーケットプレイスで購入。 1 つから手頃な値段で手に入れられるのがよい。
電池の型番がわからなかったら、裏蓋を開けて確認してホームセンターに買いにいくのもありです。ホームセンターの電池はちょっと高めだけど。
エルメス エスパス ES2. 710 の電池交換
まずはドライバー 1 本でできそうだったので、ダンナが独身時代に購入したエルメス エスパス ES2. 710 から作業を開始。
この時計はマイナスネジで裏蓋が止めてあるので購入したメンテナンスセットの出番はなし。別途購入した精密マイナスドライバーで作業。
時計用精密ドライバー マイナス 0.9 を用意したのですが、ちょっと小さすぎたようです。もうひとサイズ大きくてもよかった感じ。
ネジを外していきます。実はこの時計だけ電池の規格がわからず一度裏蓋を開けているので簡単に開きました。初めて開けたときは結構ネジが硬くて大変でした。
RENATA 373 という電池が入っています。日本の規格でいうと SR916SW。
→マクセル:ボタン電池対応表
電池を交換して裏蓋を元に戻して終了。パッキンに時計用のシリコングリスを塗布したほうがいいみたいだけれど。
時刻を合わせて作業終了。
agn è s b. V33J-0010 の電池交換
続いてはこちら。わたしのアニエス・ベーの腕時計。何回かお店で電池交換してもらっています。
これははめ込み式の裏蓋でこじ開けというタイプの工具で開けます。
ナイフタイプこじあけ。
金属製巻きバンドに三つ折れプッシュバックルなので、このままでは作業がしにくいからバンドを外します。ここで登場するのがバネ棒はずし。
この二股の分かれている方でバネの棒を押して外します。コツがわかるまで四苦八苦。コツさえわかればあっという間の作業です。言葉で書くとバネを押し込んで手前に引く感じです。
外れた。
こじ開けタイプの蓋は工具を入れるスキマがある部分だけ少し大きくなっている「開け口」があります。このアニエス・ベーの時計の場合、文字盤の 10 時の裏側あたりでした。
このスキマにこじ開けナイフを入れます。こじ開けっていうからぐりぐりひねって開けるのかと思いきや、そうではなくて裏蓋に平行に突くのだそう。この時計は突いたら蓋が勝手に浮いてきました。そうなるように作ってあるんですね。
→ Coo の腕時計:”はめ込み式”の腕時計を電池交換修理する
裏蓋にはこれまでの電池交換の記録が。電池は SR916SW。
電池を交換して裏蓋を押し込んでバントを元に戻せば電池交換終了。
時刻と日付を合わせたけれど、曜日の合わせ方がわからず。説明書を引っ張り出してこないと。
SWISS MILITARY ML-19 の電池交換
調子に乗って次は SWISS MILITARY ML-19 。この時計、一度バイト先のトイレに置き忘れて紛失したしたけれど、また同じのを買ったというくらいのお気に入りです。そして前回の電池交換はお店でお願いしたのだけれど、電池を交換しても動かずメーカーに修理にまで出したのです。(→こだわりの品【 SWISS MILITARY :腕時計修理編】)しかし、今回は自分で電池交換に挑戦します!
これはスクリューバックなので固定台に止めてスクリューオープナーで開けます。
これも三つ折れバックルのバンドなのでバンドから外します。コツはつかんだので早く外れた。
固定器(時計用ミニホルダー)にはさむ必要があるので両方外しました。
時計用ミニホルダー。時計本体とバンドが保持できる固定台です。
こんなふうに固定する。
カニ型オープナー。スクリューバックを開ける道具。
こんなふうに裏蓋に 6 つあるツメのうち 2 つに引っかけて回します。
挟んで回してみるも開かない。力をかけすぎて滑って裏蓋に傷がついた……。
その後も固定の仕方を変えて違うツメで試してみたけれど全然びくともしない。やっぱりカニ型じゃなくて 3 点支持のを買った方がよかったのかなぁ、とか思ったけれど、あまりに開かないので調べてみるとこんなことが書いてあった。
→腕時計工具:腕時計メンテナンスの修理工具 / スクリューバック用オープナー
それとこの裏蓋を閉める時ですが、渾身の力で締め付ける方がいます。ぼくらが電池交換する時に渾身の力で開けないといけない場合は、前回の交換者が初心者であった事が良く分かります。
そんなに力はいらないはずだと。そして前回電池交換をしたのはメーカーに修理を出したときなので「初心者」が交換するわけがないと。
そして頭をよぎったのが、車のバッテリ交換のときボルトのネジを締める方にまわして頭をねじ切ってしまったときのこと。(→はじめてのカーバッテリ交換に失敗)今まさに同じような状態じゃない? もしかして逆に回してた? そう時計回りは締める方向で反時計回りが緩める方向。ああ! 逆に回してたよ! わたしがつけた傷以外にも時計回りの方向についた傷があったからてっきりそっちが開ける方向だと思ってた!
そして反時計回りに回すと結構力が必要だったけれど裏蓋が動きました! 力が必要になってしまったのはわたしが締める方向に回していたからですね。裏蓋の傷くらいで本体が壊れなくてよかった。
くるくる裏蓋を回していくと外れました。電池は SR920SW。
電池交換して裏蓋をくるくる締める。
問題は裏蓋をどれくらいまで締めるかだけれど、これは作業を始める前に撮った写真を参考にした。蓋のツメが同じくらいの位置になるようにしました。(あまり締め過ぎると初心者だと思われる。いや実際超初心者なんだけれど。そして裏蓋に傷までつけてるんだけど。)
バンドを戻して時刻を合わせて作業終了。前回の電池交換で電池を交換しても動かなかったので、電池を変えて秒針が動いているのを見てうれしかったです。
写真の時計の時刻を見てもらえばわかると思いますが、スクリューバックに手間取っているうちに日没を迎えたので、あと 1 本電池交換しないといけない時計がありますが本日は作業を終了。蛍光灯の光だと暗くて細かいところまでよく見えないんだよね。日中にやることをおすすめします。
バンドの調節か下記の記事で挑戦しています。
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