メルカリで買った息子の裏起毛のパンツの柔軟剤の臭いを食器用中性洗剤でつけ置きしても落ちなかったのを、クレンジングオイルで着られるレベルまで臭いを落せたので、その着想の過程と方法を備忘録として残しておきます。去年 12 月のことです。
目次
開ける前から柔軟剤臭かった裏起毛パンツ
息子が冬になったら寒かろうと思いメルカリで買った裏起毛のサルエルパンツ。子供服のバースデイが自宅から遠いのでメルカリで状態がよさそうなのを見繕って 2 枚セットで買いました。
これ、ジップロックに入っていて圧縮してさらにさらに袋に入っていたのだけれど、外袋のテープを開けた瞬間から漂う柔軟剤の臭い。これはハズレを引いたなと思いました。
自分で編み出した食器用中性洗剤につけ置きしておく方法で柔軟剤の臭いを落とすことを試みました。
残念なことに 2 回つけ置きしても臭いが取れないし色落ちします。きっと裏起毛の繊維の 1 本 1 本に柔軟剤のマイクロカプセルがへばりついているのだと考えられます。
まだ暖かかったのでこれ以上やると黒が色落ちしそうだったので袋に戻して放置していました。
クレンジングオイルで柔軟剤の臭いを落とす方法を思いついた過程
にんじんのカロテン色素は油に溶けるのでクレンジングオイルで落ちた
そんなときに息子が調子を崩して就寝中に吐き戻し、夕飯に食べたにんじんしりしりが散乱して、にんじんのカロテン色素がベッドパッドやパジャマ、綿のスリーパーについてしまいました。食品の汚れは食器用中性洗剤を使うのが一番落ちるので、原液を垂らして歯ブラシでこすりましたがスリーパーだけ落ちません。白とグレーのボーダーだったので酸素系漂白剤と炭酸ナトリウムを 50 ℃のお湯に入れたなんちゃってオキシクリーンにつけてみましたが落ちません。
一度はあきらめて普通に洗濯して干したのですが、乾くと更に落ちにくくなるようなのでカロテン色素の落とし方を検索してみました。するとまな板についたカロテン色素の落とし方が出てきました。
→ゆたりんブログ:化学の話 : ニンジン🥕を切ったらプラスチック製のまな板に色がこびりついてしまう
プラスチックのカロテン色素の汚れにはサラダ油でこすってから洗剤で洗うと落ちるようです。カロテン色素は油に溶けやすいからです。
さすがに洋服に油を塗るのは抵抗があったのですけれど、以前買ったシミ取りの本に油性の汚れはクレンジングオイルを使って落とす方法が載っていました。
クレンジングオイルをカロテン色素シミにかけては歯ブラシでなじませ 20 分放置してから、「しみとれたぁ」という洗剤をかけ歯ブラシでこすって濯ぐとカロテン色素シミが落ちました。油性の汚れは一度油に溶かしてそれを洗剤で落とすとよいようです。
匂いも油に溶ける
話は変わって庭で育てたバジルでジェノベーゼを作るときに参考にしたサイトにバジルの匂いは油にしか溶けないのでたっぷりとオリーブオイルを入れるように書いてあったのを思い出しました。
ということは柔軟剤の臭いの素のマイクロカプセルも油になら溶け出すのではないかという考えに至りました。
クレンジングオイルで柔軟剤の臭いを落とす方法
家にあったクレンジングオイルは残り少ないので 200 ml の詰め替え用も 1 袋買ってきました。
クレンジングオイルは安いもので十分ですが水で洗い流せるタイプにしてください。
裏返して起毛部分にクレンジングオイルをかけてから平らな面に置き洗濯ブラシでこすります。水は絶対にかけないように! 起毛がダマにならないように毛の流れに沿って、ズボンの起毛しているすべての面に対して行いました。この段階でもう柔軟剤の臭いは漂ってきません。マクロカプセルが油でフタをされたのでしょう。
なじませるために 2 時間放置しました。
35 ℃のお湯に食器用中性洗剤を入れて、洗濯ブラシでこすりながらオイルを水に溶かしていきます。片足の片面やるとよう溶液が白濁するので、新しい溶液に変えてすすべての面を同じように行います。
グレーは大丈夫でしたが黒は染料まで落ちて白濁ではなく濁ったワイン色になってしまいました。どうしても赤の染料が落ちやすいのです。
次に 35 ℃のお湯に食器用中性洗剤を溶かした溶液でもみ洗いします。これもすぐに白濁するので、絞ってまた新しい溶液を作りを繰り返して中性洗剤が泡立つまで続けました。(後述しますが洗濯機の詰まりの原因になるのでなるべくクレンジングオイルを手洗いで落としきってください。)
まだズボンが脂っぽかったので、洗濯板と炭酸ナトリウム入りの洗濯せっけんでズボンを泡泡にします。(もう炭酸ナトリウム入の固形の洗濯石鹸は売っていませんので、セスキ炭酸ナトリウムを振りかけてから蛍光増白剤の入っていない固形の洗濯石鹸で泡立てるので大丈夫だと思います。)
泡を洗い流さずネットに入れて、裏返したまま多めの水でかつ泡立てておいた洗濯機に入れ普通に洗濯します。
これだけだと炭酸ナトリウムのアルカリで起毛が静電気を帯びそうだったのと起毛が束になってしまうので、無香料の柔軟剤で濃いめの溶液を作り 20 分程度つけ置きし、そのまま脱水して干します。
干す前に臭いを嗅いでみましたがほんのり最初の柔軟剤の臭いがするだけでこれなら着れそうです。なんだかんだで夕方になってしまったので部屋干ししましたが、もう柔軟剤の臭いは漂ってきません。
翌日天日干ししました。ほとんど柔軟剤の臭いはなくなりました。手強かったけれどやりました!
柔軟剤の臭いは落ちたが手間もかかるしコスパも悪い
柔軟剤の臭いをクレンジングオイルに溶かして落とす方法は起毛素材などにかなり効果的です。しかし 110 サイズの裏起毛パンツ 1 枚に対してクレンジングオイルを 100 ml 使いました。クレンジングオイルの詰め替え用が 200 ml で 300 円程度でしたので、 1 本につき 150 円かかったことになります。大人の服だとクレンジングオイル 1 袋では足りません。
しかも起毛の 1 本 1 本にクレンジングオイルをなじませるために洗濯ブラシで毛並みに沿ってなでる工程もかなり面倒です。そして染み込んだクレンジングオイルを落とすのもかなり大変です。これだけ手間をかけてでも着たい服ならやる価値があると思います。
また別の記事に書きますが、気をつけてほしいのはクレンジングオイルをしっかり落としてから洗濯機に入れないと洗濯機の排水部分が詰まります。うちの洗濯機は穴なし槽なので脱水が弱くなりました。洗濯機も壊れるかもしれないなど、デメリットも多い方法なのでよく考えてから行ってください。