隙間風が入ってきて寒い柱と土壁の隙間を DIY で埋めて補修しました。
目次
土壁と柱の隙間から光と風が入り込む
去年の年末、息子の寝ぐずりがひどく寝かしつけに 1 時間くらいかかっていたとき、窓の近くに置いた座椅子に座って息子をあやしていると上からすーっと風が降りてくるのを感じました。窓はペアガラスではないのですが、プラダンを窓の大きさに切ってはめ込んで簡易 2 重窓にしているので、冷気ではなくどこか隙間から入ってきているはずです。しかし場所はどこかわかりませんでした。
初夏になって息子が早朝覚醒するので朝部屋に入ってみるとなんと柱と土壁の隙間から光が漏れていました。下の写真は露出をかなり上げています。
うちの家の壁は竹を編んでそれに土を塗っているいわゆる土壁なのです。経年劣化で土が痩せて柱や梁と土壁の間に隙間が空くのです。光が漏れるということは風も入ってくるわけで冬に寒かったわけもわかりました。
土壁と柱の隙間を埋める方法の調査と
そこで今年の冬、最低気温が 1 桁になる前の 11 月始めに土壁と柱の隙間を埋めることにしました。
調べてみると製菓用の絞り袋に練った土壁の土を入れ、それを絞り出して隙間埋める方法をしている方がいました。これの方法なら養生とかしなくてすむので手軽に取り組めそうです。
→自然菓子工房 欧舌 / 半農半菓 / ブログ:おうちえんリフォーム ~壁の隙間を埋める~
この方は崩した土壁の土を再利用していたのですが、うちにはそれがないので土壁の土を調達するところから始めました。
土の調達
調べると京壁ファインという土壁の土が色が豊富で目立たなく補修できそうでした。
色選びは晴れた日の日中に行うのがいよいと思います。部屋によって土壁の色が違ったりするので隙間を埋める部屋で色選びを行うことが大切です。ぴったりの色がなくどちらの色か迷った場合は濃い方を選択するのがよいでしょう。埋める所が端の方なので明るいと目立ちますが濃い色なら柱の影と錯覚するからです。
買った土壁の土です。土と着色剤に分かれています。カラー No. は 404-1 を買いました。少し赤みがかった灰色です。
実際に土壁と柱の隙間を埋めていく
分量の 8 割 (2.8 L) の水を入れ着色剤を入れてかき混ぜます。リシンマザールでかき混ぜるように書いてありますがおたまでかき混ぜました。
土を入れます。粒子が細かい土が舞うのでマスクをした方がよいです。
お玉で練ります。いい硬さになるように水を足します。
これを絞り袋に入れます。フォローアップミルクのぐんぐんのスプーンが細長くて絞り袋に入れやすかったです。
クリスマス時期に生クリームを買うとついてくる絞り袋と口金を使いました。なければ 100 円ショップに絞り袋と口金のセットが売っているようなのでそれを使うと使い捨てできます。今回使ったのは星型の口金ですが丸い口金の方がよいと思います。
隙間にホコリが詰まっているので掃除機で吸い取っておきます。土を練ってからホコリが詰まっているのに気がついたのでこの順番ですが、土を練る前にやっておいた方が土が乾かなくていいと思います。
ホコリを取ったらこれくらい隙間が空いています。
絞り袋に入れた土を土壁と柱の間に絞り出します。(ピンぼけ写真ですみません。)
こんな感じに土が盛れます。
口金が星型だったのもあり、以前屋根の面戸漆喰を修理したときの鶴首のコテで押さえて隙間に押し込みます。抑える時に柱側を少し浮かせて斜めになるように抑える時に違和感なく仕上がります。鶴首のコテでなくても細いコテなら大丈夫そうです。
柱の両側に土を埋めたところです。
息子の昼寝が終わった 15 時頃から作業を始めましたが、夫ひとりではとても終わる様子がなかったので義母に息子の相手を頼んでわたしも手伝いました。わたしが土を絞り出して夫がコテで押さえました。 6 畳を 2 人で 3 時間程度かかりました。その日は土がまだ乾いていませんでしたが夜には息子に寝てもらいました。土壁に入っているヒノキのおがくずの匂いが 2 日くらいしました。ちょっとした森林浴です。
できあがり
1 日経って乾いた写真。近よったらわかりますが離れて見る分にはそんな目立ちません。
天井に近いの方です。光があたっているところは色が違うのが気になりますが、まあ許容範囲でしょう。年代物の家がなんとなく古びた感じがするのは、柱と土壁の隙間が影で黒く線が入って見えるからだと施工し終わって思いました。
施工した部屋にわたしが長時間いるわけではないのでわかりませんが、隙間風がなくなって寒くなくなったはずです。乾燥しにくいので使っているオイルヒーターの電気代も少しは安くなっていると思います。