ベビーモニターとしてネットワーク防犯カメラを使用しています。暗視機能はそのままに赤く光る赤外線 LED を遮光した備忘録です。今年 4 月から 5 月にかけての話です。
目次
ベビーモニターの赤外線 LED が赤く光る
自宅でベビーモニターとして使っているのは Citronics というメーカーのもので息子が生まれた当時はお手頃価格だったので買いました。
遺品整理と片づけのために滞在している実家には同じ iPhone アプリで動く防犯カメラを購入しました。自宅と同じくものがほしかったのですが、もう売ってなかったのです。
自宅のは動作検知で通知もしてくれて、どれぐらい前から起きていたのかわかるので重宝しています。実家のものは動作検知がついているものの設置位置の関係が悪いのかうまく働いていないのが残念ですが。
概ね満足しているのですが、問題があります。暗視機能があるのですが、赤外線 LED が赤く光るのです。
確かに防犯的には赤く光った方がカメラで録画していることをアピールできるので効果が高いと思います。しかしベビーモニターとして使う場合は赤いライトが余計です。寝たときと状況が違うと起きてしまう原因になるので、ずっと光ってるならそれほど問題ではないかと思ったのですが、少ししゃべれるようになった頃に息子がベビーモニターを見ながら「あか、あか」といっていたので「まぶしいの?」と訊くとうなずいたので重い腰を上げ対策することにしました。
IR フィルター(可視光吸収・赤外透過)で赤色を遮断する
カメラのフィルターに IR フィルターというというものがあります。これは可視光を吸収し赤外を透過するフィルターです。赤外線 LED が赤く見えるのは可視光線も発光してるからで、それを遮断して赤外線だけ透過させれば赤く光るのを防ぎ暗視機能も使えるはずです。
FUJIFILM IR 80 を試してみる
赤側の可視光線は 780 nm なので 800 nm 以下をカットするという 富士フイルムの IR 80 フィルターを買ってみました。リングなしのフィルムのみの商品でハサミで加工できます。
これを実家の監視カメラの赤外線ライトに当ててみると、残念ながら赤く光っているのがわかってしましいました。しかもあまり暗くもなっていません。
富士フイルムのサイトを見ると、各フィルターの透過率のグラフがあって、 IR 80 だと 730 nm から少し透過してしまうようです。以下のリンクの 11 ページです。
それは赤く見えるわ、と思いました。
FUJIFILM IR 90 を試してみる
可視光線の上限を 830 nm としているところもあったのでそれ以上のものをと思い、上のグラフを見て 840 nm まで透過率が 0 % の IR 90 を次に購入してみました。
IR 90 のフィルターは真っ黒で IR 80 とどこが違うのかわかりません。
しかし実家の防犯カメラの赤外線 LED に当ててみると、赤外線 LED の赤い光が見えなくなりました。いつも使っている Panasonic の LUMIX では赤外線を感知してしまうので、 iPhone のカメラで撮影しました。
フィルターをハサミで切って赤外線ライトの上にセロハンテープで貼りつけました。
正面からは赤く光が見えませんが横からだと少し漏れています。
しかし赤外線も多くカットしているようで、よく見えるようにカメラの感度を上げざるえなくて画像がザラザラです。もう少し適したフィルターがあるのではないかと思いました。(遺品整理中の姉の部屋で寝かせているので部屋がかなりごちゃごちゃしています。)
FUJIFILM IR 84 を試してみる
もう少し調べてみると、赤外線 LED にはピークが 850 nm と 940 nm のものがあり、 850 nm がピークのものは赤く光るととこと。この分光分布をみると、やはり 850 nm をもう少し透過するフィルターにした方が画質がよくなるのではないかと思いました。
→コロナ電業株式会社:赤外線投光器が夜に赤く光る理由について
そこで 850 nm の透過率が約 40 % の IR 84 を買ってみました。
これを防犯カメラの赤外線ライトの前にかざしてみました。
赤く光って見えます。残念です。
FUJIFILM IR 88 を試してみる
IR 90 だと遮断しすぎで、 IR 84 だと透過しすぎなので、次は IR 86 と IR 88 のどちらのフィルターを買おうか迷っていたら、メリカリに IR 88 のフィルターが安く出ていたので購入してみました。
これを防犯カメラの赤外線ライトの前にかざしてみます。
ほんのり赤いです。
赤い色を完全に防ぎたいなら IR 90 が必要なことがわかりました。
でも IR 88 でもまぶしくはないので、切って赤外線ライトの前にセロハンテープでつけてみました。
暗視機能が働いていると目が慣れてくるとほんのり赤く光っているのがわかるくらいです。
IR 88 のフィルターをつけて撮影した画像はこんな感じで IR 90 よりザラつきはマジになっています。
IR 88 と IR 90 のどちらを使うかは好みの問題ですが、 IR 90 だと画質がザラザラで感度をだいぶ上げているためか監視カメラが熱くなるので IR 88 を使うことにしました。
自宅のネットワークカメラにも IR フィルターを取りつけた
自宅のネットワークカメラは前面が丸みを帯びたデザインで実家の防犯カメラのようにセロハンテープで止めるだけというわけにはいきません。
そこで出っ張り全体を覆うサイズの保護フィルターを購入して、それに IR フィルターを貼りつけようと思い、長さを測って 43 mm の保護フィルターを購入しました。
しかし赤外線 LED が点灯した状態でこのフィルターを被せると光が反射して何も見えなくなっていまいました。
そこで方針を変え、ステップアップリングの段差部分に貼り付けることにしました。リングのサイズですが、買った 43 mm の保護フィルターの差し込み側では少し小さい感じがしたので、 43-46 mm と 46-49 mm の 2 種類のステップアップリングを買いました。
ネットワークカメラに合わしてみると 43-46 mm では小さいので、 46-49 mm のステップアップリングを使用することにしました。
これの 49 mm 側の内径を測ります。直径 48 mm 程度でした。
サークルカッターで切り抜きます。
カメラのレンズ部分の出っ張りは 20 mm 程度だったので同心円で切り抜きます。あまりきれいに切り取りませんでした。
この状態でネットワークカメラに当ててみたら、部屋が明るいのに暗視機能に切り替わってしまいます。 LED が円状に並んでいる一番上は照度センサーのようので、位置をマジックて印をつけて切り抜くことにしました。
小さい円なのでカッターではうまくできないと思い、切り抜きはポンチで行いました。
ステップアップリングの段差に両面テープを貼りつけます。
貼りつけてできあがりです。
これにぐるっとビニールテープを巻いて、余った部分に切り込みを入れ、干渉しないようにビニールテープをカットして貼り付ければ設置できました。
マイク部分もテープをカットして集音できるようにしました。
部屋を暗くして暗視機能を働かせるとこちらもほんのり赤いくらいになりました。
実際の画像もこんな感じで満足いくものができました。息子も「あかない、あかない」と眩しくないのを喜んでいました。
今は下のリンクのように 940 nm の赤外線 LED を使った赤く光らないウェブカメラも出ているのでそちらを購入するのがよいかと思います。