この季節になると必ずしたくなることがあります。それはいちごのパック食い。その名の通り、いちごを丸ごと 1 パック食べるというもの。
一人暮らしを初めてからわたしはいちごが好きであることを自覚しました。けれど、所詮は貧乏学生。クリスマスの頃のハシリのいちごなんかに手が出せるわけないんです。そこでです、ぼちぼち露地ものも登場するこの時期が狙い目。スーパー、八百屋、移動販売車、直販所とあらゆるところに目を光らせます。粒は小さくてもかまわない。おいしく甘いいちごをたくさん食べたいがため、なるべく価格の安いものを大量に買い込みます。
そこで出てくるのがパック食い。ちまちま 5 粒とか食べていてもわたしの欲望は満たされない。えい、全部食べてしまえ、と思ったのが始まり。それからはやみつき。もう上品に食べていた頃には戻れません。
いちごの食べ方にもこだわりがあります。みなさん、いちごを食べるときはヘタを持っていちごの下側の尖っている方から食べませんか? それはわたしからいわせれば邪道な食べ方です。なぜなら、いちごに限らず果物全般、甘みのもとである糖分は下部に溜まるからです。つまり、下の尖っている方から食べるということは、一番甘い部分を先に口にし、一番すっぱいと思われるヘタ元部分を最後に食べることになるからです。これでは後味が悪い。(ヘタをあらかじめナイフで切り落とし、フォークで食べるなんてセレブな召し上がり方は今回は想定していません。)
まず、ヘタ部分をもぎ取り、そしてヘタ元部分から口へ運ぶ。すつると、舌の上をすっぱさから徐々に甘みへと変化するハーモニーが体験できるわけですよ。
ちなみに、コンデンスミルクをつけるなんていうのはもってのほかです。いちご本来の甘みとすっぱさを十二分に味わう。これがいちごのパック食いの極意です。
わたしには小さな夢があります。それはいちご狩りに行ってこれでもかというくらいいちごを食べまくること。これ、すぐにでも叶いそうでしょ。でもなかなか叶わないんです。事実わたしは 5 年前からいちご狩りに行きたい、と方々の友達にふれ回っております。なかなかいってくれる人が現れません。万が一いちご狩りに行ってくれるという奇特な人が現れても、結局日程が合わなくて没になったり、時期を逃したりとうまくいかないわけですよ。
今年もあと 1 か月ほどでいちご狩りの季節も終わります。わたしの小さな夢は今年も実現しないで終わりそうです。